2007年 01月 04日
こうやって、毎年毎年、当たらない予想をするのもどうかと思うんだけど、やっぱりネタ的にもやらないないわけにはいかないので、今の手元にある情報を元に予想をしてみよう。 まず、候補は次の3人に絞らせていただいた。 ■ ジャンカルロ・フィジケラ ルノー ■ フェルナンド・アロンソ マクラーレン・メルセデス ■ キミ・ライコネン フェラーリ HONDAファンとしては、バトンかバリチェロを推したい気もするが、このところシーズン序盤から完成度の高いマシンを投入できない(=欠点がわかっていながらその欠点を克服できない)点が大きなマイナス。チャンピオンの条件としてスタートダッシュは不可欠なので、HONDAは残念ながら候補から外す決断をした。今年は、数回の勝利を目標とし2008年以降に期待したい。 それでは、まずこの上位3チームが、去年から今年にかけてどのような変化があったのか、点数をつけて追ってみたい。 ■ ルノー 2006年比較 マイナス3点 【得たもの】 ・特になし 【失ったもの】 ・アロンソの移籍 … マイナス3点 ■ マクラーレン・メルセデス 2006年比較 マイナス6点 【得たもの】 ・アロンソの移籍 … プラス3点 【失ったもの】 ・ライコネンの移籍 … マイナス3点 ・ニューウィー、プロモロドウらの優秀なスタッフの流出 … マイナス3点 ・メルセデスの買収による、マクラーレンイズムの縮小 … マイナス2点 ・非力なメルセデスエンジン … マイナス1点 ■ フェラーリ 2006年比較 マイナス3点 【得たもの】 ・ライコネンの移籍 … プラス3点 【失ったもの】 ・ミハエル・シューマッハーの引退 … マイナス3点 ・ロス・ブラウンら優秀なスタッフの引退 … マイナス3点 チームの比較を行うと、一番の激震に見舞われているのがマクラーレン・メルセデス。ドライバー市場は差し引きゼロと計算できても、昨年から優秀なスタッフが流出し、しかも非公式ながら数誌がメルセデスの事実上の買収を報じており、間もなく発表の見込みと言われている。これは、ロン・デニス率いるマクラーレンイズムの色が薄れることを意味し、これまでトップチームに君臨し続けてきたマクラーレンに黄色信号がともることになることを意味している。 賛否は置いておいて、近代F1時代においてマクラーレンがトップチームであり続けた理由はロン・デニスの手腕に他ならない。その彼が、メルセデス色が濃くなれば、その地位はより軽いものになることが予想され、それまでに受け継がれてきたマクラーレンイズムは事実上崩壊することになるだろう。 メルセデスが買収しチームを掌握するに当たってのマイナスポイントは、エンジンの製作の失敗もあげられる。彼らが目指していたエンジンは、2万回転以上の高回転出力を念頭に制作されていたとされている。しかし、折りしも今年からのエンジン開発凍結ルールで、回転数は1万9000回転に制限される。これら彼らにとって大きなダメージとなっている。エンジンの美味しい部分を封印されたまま、少なくとも4年は戦い続けなければならない事実は、マクラーレン・メルセデスに大きくのしかかってくるだろう。アロンソの加入をもってしても、このチームの再建は容易ならざる事は想像に難くない。 また、元テストドライバーで来期はウイリアムズからレギュラーでの復帰を果たすヴルツが、「マクラーレンはリクエストしてからの解決までに非常に時間のかかるチームだ」と漏らしており、マネージメントにも問題がないとはいえなさそうだ。 フェラーリも、チーム体制としては大きな変革期を迎えている。チームに君臨し続けた史上最高のドライバー、ミハエル・シューマッハーが引退。そして、こちらもチームで屈指の参謀役のロス・ブラウンが1年間の休職とあってチームは、ジャン・トッド中心に再編を図っている最中だ。そんな最中のライコネンの移籍。ライコネンも2006年までの最強体制で戦えるわけではない。しかし、マクラーレンよりは随分ましだろう。とりあえず、暮れのウインターテストでは好タイムを連発。BSの新構造の固いタイヤでも、やはりユーザーとしての一日の長と言うべきか、タイムの出し方がスムーズだった。そして、ライコネンのポテンシャルは、パドックでの評価は非常に高い。ミハエルのように、一発のタイムも、連続した全力疾走も、ライコネンはミハエルに負けるとも劣らないというのが一般的な評価だ。これは、2度のワールドチャンピオンに輝いたアロンソをも凌ぐという。実際、ライコネンはひょうひょうとしているので、そのすごさが伝わりにくい「損をするタイプ」の人間だが、2005年、重タンでのポールや、1回ストップでの前半からのハイペース、最後尾に回されても驚異的なハイペースでの上位進出は、決してマシンのパフォーマンスだけでは成し得ない。現にモントーヤはそれだけの走りが出来なかった。 ライコネンは、チームにさえ慣れてしまい、尚且つマッサと必要以上の確執に悩まされなければ、一番ポイントを取る可能性が高いといえるだろう。 シーズンが明けても変動が一番少なかったのがルノーだ。アロンソの穴は補えなかったが、ブリアトーレ首脳陣や技術陣も揃って残留。前評判では、今シーズンのルノーのニューマシンも相当戦闘力は高いだろうと言われている。実際もういつデビューしてもおかしくないほど完成しているようだが、今年もマス・ダンパーのような革新的な技術をいくつも保有している模様で、そのヒントをライバルチームになるべく与えたくないがために、新車の発表は先送りされているようだ。 しかし、あまりネガティブな内容が無いにもかかわらず、フィジケラがチャンピオンになると予想している専門誌は無いに等しい。あくまで、アロンソとライコネンの一騎打ち。フィジケラは次点でしかないような扱いだ。 その理由は、やはりアロンソにイコールコンディションでは歯が立たなかったからだろう。もう、フィジケラは過去のドライバーだ、そう言いきるジャーナリストもいるほどだ。八百屋も厳しい意見だと言われそうだが、フィジケラがライコネンとやり合えるとは考えにくい。戦闘力の低いマクラーレン+アロンソとなら充分戦えると思うが… と、言うことで、2007年のワールドチャンピオン(予想)は と予想する。条件としては、早くフェラーリに慣れる事。そして、早々とマッサを実力で打ち負かすこと。この2点が加わる。マッサも今年はジョイントナンバーワンの立場を利用して、意地でもナンバーワンでいようとするだろう。そこを如何に実力で押さえ込むか…ライコネンの最初の強敵は、まず身内をしとめることからになりそうだ。
by R-130
| 2007-01-04 22:54
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