2006年 12月 15日
スイスのニヨンでベスト16の組み合わせ抽選会が行われた。 それでは、組み合わせと寸評を。 ■ FCポルト(ポルトガル)vs.チェルシー(イングランド) チェルシーとしては比較的"楽な"相手となったか。しかし、FCポルトはかつてモウリーニョが率いていたクラブチーム。最早、かつてのポルトを支えていた選手は僅かだが、それでも何か因縁めいたものを感じるわけでもない。 ポルトには、"ロナウジーニョ2世"と言われたアンデルソンが在籍。彼のダイナミックなプレーには注目だ!!とは言え、ここはチェルシーの勝ちぬけが固そうだ。 ■ セルティック(スコットランド)vs.ミラン(イタリア) セルティックとしては比較的楽な相手になったといえる。しかし、舞台は2ヵ月後のこと。怪我人も復帰しているだろうし、冬のマーケットで補強もあるかもしれない。現状の"どん底の"ミランと戦えるという訳ではなさそうだ。 セルテッィクには各メディアから指摘を受けている"内弁慶ぶり"をどこまで改善できるかがポイントになりそうだ。更に歴史を作っているかはそこにかかっているだろう。 いくら斜陽のミランとは言え、スコットランドの新参者に負けるわけには行かない。ここで勝てないようだと、アンチェロッティの首が飛ぶ可能性も十分にありうる。 ■ PSV(オランダ)vs.アーセナル(イングランド) エールディヴィジで独走態勢に入ろうとしているPSV。昨年同様、ライバルのもたつきにも助けられ圧倒的な強さで首位をキープしている。今年は、守備面にも磨きがかけられ16節終了時の失点がわずかに"6"。攻守のバランスが取れたチームであると推測される。 一方のアーセナルも現状主力の離脱で厳しい台所事情だが、2ヵ月後にはベストオーダーが組める"見込み"。好勝負が期待できそうだが、ややアーセナル有利と見るべきか。 ■ リール(フランス)vs.マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) リールは、ケイタやオデムウインギーと言ったアフリカ屈指のFWを擁する好チームである。リーグ・アンでも12/15現在で3位。リヨンが独走しているが2位以下がだんごレースとなっており、その中で頭一つ抜け出す可能性は秘めているチームだ。 しかし、マンUがこのフランスの挑戦者に屈するとは考えにくい。現状の戦力ではまず考えられない。プレミアでも1位キープで、12月を終了することがほぼ決定的な状態だ。 しかし、中盤の高齢化に伴うパフォーマンスダウンは考えられなくも無い。ギグス・スコールズと言った"生え抜きは"すでにシーズンを通してベストパフォーマンスを発揮できない事を承知しておかなければならないだろう。パク・チソンが間もなく復帰するが、ブランクが長いので過剰の期待は禁物。ロイ・キーンの後継者と期待されているキャリックも、もともとプレースタイル違いがありすぎてやはり物足りない。この辺に綻びが無いわけでもない。 後、怪我を騙し騙しプレーしているギャリー・ネビル。彼が離脱すると…ブラウン?シルベストル?一気にマンUのDFラインが危機にさらされかねないのも不安だ。 ■ ローマ(イタリア)vs.リヨン(フランス) ベスト16の好カード。若干調子を落としているローマと、好調を持続するリヨン。実力的にはほぼ互角だが、安定感ではリヨンが勝るだろう。もっとも、CLグループリーグ第5節のレアル戦の前半のようなパフォーマンスをされれば、ローマもお手上げになるだろう。 ローマは、ベストパフォーマンスが発揮できればリヨンを破る可能性は充分にある。現状、セリエAで最もスペクタクルなサッカーをしているチームは?と聞けば、10人中9人はASローマと答えるだろう。トッティを始め、替えが利かない選手が無いので怪我の離脱はご法度だが、べ須戸メンバーが組めれば、超見物の好カードだろう。 ■ バルセロナ(スペイン)vs.リバプール(イングランド) こちらもまずまずの好カード。いつの間にかにプレミアでも3位に上がってきた04-05年の覇者リバプールと、トヨタカップで世界王者に輝くであろう(今はまだ15日なので)バルセロナの戦いだ。 現状、守備ブロックに大きな問題を抱え、今年補強したウイングハーフが軒並み低調、怪我人も多く満足に駒を使えないベニテスが、周囲の批判にもぐっと堪え何とか順位を3位にまで立て直してきた。しかしこの守備ブロックの不安は、バルサと戦う上では大きなウイークポイントだ。あの攻撃陣をしっかり止めるには、やはり守備ありき。しっかり守って、セットプレーで勝機を見出す、昨年決勝でアーセナルがやりかけたこの戦法しか、今のバルサを倒す方法はないだろう。バルサも、守備が万全とはいえない。ジェラードのミドルや、カイトのポストプレーなどで勝機を見出すことが出来るのか、注目したい。 ■ レアル・マドリー(スペイン)vs.バイエルン(ドイツ) 1年前なら屈指の好カードと言いたいが、残念、今年のバイエルンには勢いが無い。カペッロの手堅いサッカーの餌食となる可能性が極めて高い。バラックが抜けた穴を、紆余曲折の末、ジュバインシュタイガーで埋めようとしているところに苦しい事情が窺える。マカーイの復活は好材料だが、バラックとゼ・ロベルトの抜けた穴はいまだ埋められてない格好だ。 レアル・マドリーは、大方の予想通り、サッカーの内容は抜きにして結果が伴って来ている。冬にもCBの獲得が決まっており、更に補強を進めて陣容を磐石にしていくようだ。 バイエルンは、ハーグリーブスの復帰が待たれるが彼のモチベーションの下落が心配される。今シーズンいっぱいで、マンUへ。そういう取り決めをしてあげる方が、チームのためにもハーグリーブスのためにもなると思うのだが、バイエルンはどう考えているのだろうが。 ■ インテル(イタリア)vs.バレンシア(スペイン) バレンシアの怪我人が復帰すればたまらなく面白いカードになりそうだが、エドゥを初めとする今季絶望の選手もおり、バレンシアのベストオーダーは望めそうに無い。特に中盤は深刻な人材難で、この影響がフローレスが掲げる、堅守+カウンターのスタイルを根本から揺るがしている。 ただ、インテルもカウンターに弱いチームなので、お互いの長所がハマればとても面白い試合にはなりそうだ。 一方のインテルは怪我人も続々復帰しており、ほぼベストに近いオーダーが組めるようになってきている。まともにやりあえば、インテルに軍配が上がりそうだがバレンシアがどのように挑んでくるのか注目したい。
by R-130
| 2006-12-15 23:23
| ∟UEFA CL 06-07
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