カテゴリ:食品スーパー裏話( 5 )

2006年 12月 28日
食品スーパー裏話:年末商戦真っ只中!!
 どもども(^^ゞ年末商戦真っ只中の八百屋です。
 最近、ニューエントリーが激減しており、足しげくこのブログに通っていただいている皆様には大変ご迷惑をおかけしておりますm(__)m八百屋個人的には、1日1エントリー頭の中で書いているつもりなんですが、なにぶんアップする時間がないので暇を見つけて、どばーっと更新しておきますのでよかったら下のほうをぽちぽちクリックしてご覧いただければ幸いです(^^ゞちなみに、日付は改竄しています。自分が心の中で書いた日にちでアップしますので、フェアじゃないかもしれませんが、ご了承ください。


 さて、年末商戦、とは言いますが八百屋の年末商戦とは如何なる物なのか???ちょっとご紹介したいと思います。わかりやすいようにかなり極端に表現しますので、同業者の方は厳しい突っ込み話の方向でお願いします。ちなみに八百屋の年末商戦は20日くらいから始まります。



■ ~12/22まで 冬至

 南瓜を食べてゆず湯に入る…八百屋のためにあるような催事です。
 この日は、南瓜をおりゃああっと切りまくって、ゆずを売りまくる日になります。
 今年はどうにか国産品がぎりぎりもったので(←注:基本的に南瓜は夏の野菜なんですが、北海道産の晩生を冷蔵庫に保管してぎりぎり冬までもたせる手法がとられているが、冬至までもつかどうかが毎年微妙)国産品をメインに30ケースほど切りました。10キロ箱を30ケースで300キロ…普通の日なら1日2-3ケース程度なのでこの日は需要が10倍に膨れあがります。

 尚、豆知識として、冬至の時期は国産品と輸入品が一緒に売られていますが、美味しいのは間違いなく輸入品です(国産品でも、付加価値商品と言って高いやつはそれなりに美味しいですが)。国産品は前述の通り、貯蔵品ですのでずーっと冷蔵庫に眠っているので味が落ちています。輸入品は、夏の南半球で取れた旬の南瓜だから美味しいです。国産品は安全だから国産品が良く売れますが、味は輸入品のほうがはるかに美味しいということを付け加えておきます。



■ ~12/25まで クリスマス
 
 冬至が終わればすぐクリスマス。売場を南瓜だらけから、クリスマス演出に変えます。
 メインはサラダ野菜といちごとカットフルーツです。特に面倒なのがカットフルーツ。パインやメロンをぐりぐり繰り抜いて、カットフルーツを盛り付けるパインボードやメロンボードなるクリスマスバージョンのフルーツを沢山製造しなくてはならないのが苦痛です。とくにメロンやパインにざくざく包丁を入れてくりぬく作業が苦痛で苦痛で…まあ、お客さんは「うわぁ、すごーい」とか言って買ってくれるのでありがたいのはありがたいのですが、やっぱりしんどい…




■ ~12/27まで 年末準備

 クリスマスが終われば、クリスマスの演出を全て取っ払っていよいよ年末の雰囲気を演出します。凧を飾ったり、もちだま(赤と白のたまを上からぶら下げる)をつけたりして、年末の雰囲気を出して、干し柿や葉付みかん・だいだいを並べて縁起物を目立たせて販売します。正直、この辺になると売場をガラガラ変えるのがしんどくて、手抜きが出てきちゃいます…



■ ~12/31まで 年末販売

 いよいよおせち商材が売れる時期です。八百屋の店は九州の田舎立地なので、煮物系のレンコンやごぼうやサトイモが馬鹿みたいに売れます。レンコンはピーク時で40ケースほど(1箱4キロ)切らなきゃいけないのでドロだらけです…あ、関東なんかでは洗いレンコンが主流なんでしょうか???九州は田舎なので洗いレンコンはさっぱり売れません…ドロ付でナンボです。
 また、お雑煮商材も売れますね。お雑煮の中身は全国各地で全く違うんですが、八百屋の博多では、「博多雑煮」と言って、ぶりの切り身とかつお菜という葉っぱが雑煮のメインになります。しかし、八百屋の親は長崎なので白菜のあっさりした雑煮なんですが、博多雑煮を見たときは激しくカルチャーショックを受けました。だってぶりの切り身ですよ…雑煮に油が浮いててびっくりしました…でも意外においしいんですけどね。



■ 1/1~ 初売り

 食品はあまり初売りには関与しません。基本的に衣料品や電化製品が対象です。お刺身やデリカのオードブル関連は大変なことになっていますが、八百屋の年始は静かです。年始は、お年賀として持って行く、いちごやみかんやメロンなどのお使い物が良く売れますね。ただ、八百屋は年末で販売としてはひと段落と言ったところでしょうか。


 八百屋は、自分の仕事が大好きだし誇りを持っているつもりです。ですが、やはり年末商戦はちょっと憂鬱にもなります。冬至→クリスマス→年末年始→通常と売場演出をコロコロ変えなくてはならないため、この辺がすごく面倒なんですよ。自分の頑張りが即売上に反映し、実績上げれば文句も言われない実力主義的な所は大好きなんですが、この辺のめまぐるしさは大変です…正直お盆より全然大変です。
 尚、このブログを読んでいる方でこれから就職先を探そうとしている人がどれだけいるかわかりませんが、あえて言わせてもらえれば、暦どおり休みたい人は流通業は絶対やめたほうがいいでしょう。人様の休み時が流通業の稼ぎ時です。最近は、正月元旦営業当たり前、店休日ないのが当たり前。正直労働環境がいいとは言えません。それでも仕事に魅力を感じる人はやってみてください。楽しさは間違いなくありますから。

 と、言うことでなんかオールグチのエントリーになってしまいましたが、年末商戦真っ只中の八百屋が久々にリアルタイムで更新しました(^^ゞ
 尚、トップに12/31までの期限限定で、あなたの地域のお雑煮を教えてください企画も良かったらコメントをお願いしますm(__)m
[PR]

by R-130 | 2006-12-28 21:48 | 食品スーパー裏話
2006年 12月 09日
食品スーパー裏話:灼熱のボーリング大会!!
 今回は、直接スーパーの裏話とは関係ないんですが、まあ【番外編】ということで(^^ゞ

 実は12/6~12/8の3日間の日程でボーリング大会をやりました。
 今回は八百屋が年末行事の幹事と言うことで、この2年間、焼肉屋さんで飲み+食べ放題と言う形式で行われていたんですが、3年続けてそれだとつまらないだろうと言うことで、八百屋が無理矢理方向転換!!勝手にボーリング大会に変えました(笑)

 ちなみに経費的には約30万が使用可能と言うことだったので、それだけ使えるなら「年末行事だし、派手にやってやろう」ということで、多数の商品をばら撒くことに。
 1位に任天堂のWiiを始め、DS-lite、自転車、ホットカーペット、石油ファンヒーター、炊飯器、絨毯、羽毛布団、お米10キロ、ビール、ステーキ、うなぎ、刺身、メロンその他にも家電中心に沢山の商品をリストアップ。この辺の商品の調達は店の中であっさり出来るのがスーパーの強み。WiiやDS-liteも、担当者にお願いしたらあっさり承諾してくれたので、目玉もそろえて、約20アイテムをトップ3役だけでなく、5の倍数10の倍数のキリ番順位にもちりばめて、この店初の大ボーリング大会を実施しました。
 また、男性が上位商品を独占してもいけないので、女性は1ゲーム30のハンデをつけて、2ゲームトータルのスコアで争うことに。つまり女性は2ゲーム計で60のスコアがプラスされることとなり、これが結構結果に大きな影響を及ぼすことに…
 
 大会は、wiiや主婦に嬉しい電化製品や食品が順位に余り関係なくもらえると言う内容も功を奏してか60名ほどが参加すると言う大盛況ぶり!!結果は、トップ5に3名女性が食い込む大波乱!!ちなみにトップスコアは女性で、2ゲームトータル350!!ハンデ無くても290(1ゲーム平均145)だから立派なもんです。
 八百屋も、昔取った杵柄で(高校時代には学校から歩いて3分のところにボーリング場があり、賭けボーリングをして遊びすぎました(^^ゞ)Wiiを密かに狙うも駄目駄目で、2ゲームトータル290にとどまり、何とかキリ番の10位をゲット。石油ファンヒーターをお持ち帰りしました(^^ゞここ最近まったくやっていなかったので、ヘロヘロのスコアでした。
 大会ハイスコアは、食品の販売課長がたたき出した194!!オープンフレームが2つありましたが、ダブル2回で補填して、200まであと少しの大奮闘でした(^o^)丿

 たまには会社でボーリング大会なんかしても面白いかも。
 やってみて、意外な盛り上がりに気をよくしている八百屋でした。
 年末行事は飲み会もいいんですが、こういう目先の変わったイベントもいいかもしれません。
[PR]

by R-130 | 2006-12-09 14:40 | 食品スーパー裏話
2006年 11月 16日
食品スーパー裏話:激安の特売品が出る謎 【その1】
 八百屋は名前のとおり、八百屋が職業です。某スーパーで八百屋をやっております。
 スーパーといえば、やはりチラシの特売品に目が行きますよね。

・砂糖1kg 58円
・コカ・コーラ1.5リットル 98円
・たまご1パック 10円
・オロナミンC10本パック 398円 etc

広告には、時に超目玉とも言える特売品が掲載されることもあります。
そうすれば、お客さんは開店と同時に殺到。大変な賑わいになるわけです…

 さて、内部事情を告発するわけではないんですが、この特売品、はたして儲けはあるのか?店はこんな値段で出して最終的に儲けが出るのか?特売品はどのようなルートを通って店にやってくるのか…全てのスーパーに当てはまる事情ではありませんが、そんな裏話をたまに、小出しにやってみようと思います。
 第1回目は、特売品の謎です。さっきも言ったとおり、全てのスーパーに当てはまる事情ではありません。こんな例もあります、と言う程度です。話のネタ程度に聞いてください。


■ 特売品の謎 ~調味料やお菓子、飲料の場合~

☆ 特売品は基本的に原価割れ、お店はほぼ100%損しています

 QPマヨネーズ98円。よくある特売品で、非常に買上率の高い商品です。特に、QPは有名なブランドで食卓に使われている割合が非常に高いので、まず間違いなく売れます。通常価格では、スーパーに並んでいる価格で198円で安い方じゃないでしょうか?そんな商品が98円になれば効果はてきめんです。
 この商品の原価、これはお店によってまちまちなんですが、恐らく150~170円くらいだと思います。それが98円で売られるわけですからお店としては大赤字。売るだけアホらしい、と言った商品でもあります。


☆ 中卸の存在が、特売品マジックを生み出す

 調味料やお菓子、インスタント食品と言うのは、実はお店はメーカーと直に取引をしていません(しているところもありますが、それは大手スーパーのみ)。メーカーとお店の間には「中卸」が存在します。
 商品の流れは

● メーカー  →→→→ ● 中卸 →→→→  ● お店

となります。メーカーは、お店のちまちました注文に耳を傾けるほど暇じゃないそうで、一括してドーンと仕入れてくれるところを探します。それが仲卸になります。そして、中卸が幾多のスーパーのちまちました注文を聞いて、各店に振り分けて配送するシステムになっています。だから、たくさんのメーカーの商品が中卸に一括して仕入れられることになり、中卸からは、たくさんの矢印がお店に向くことになります。 もちろん、中卸はメーカーとお店の間を取り持つので、商品にはマージンが掛かり、メーカーの原価に○%利幅を乗せて、お店に出荷します(よって、近年では大手スーパーは1円でも安く売るため、利益を上げるため、メーカーとの直取引をしていこうと躍起になっています)

 ところが、中卸にはとんでもないリスクがあります。
 それは、一括仕入れしてしまった「在庫」です。メーカーが一括してドーンと送ってきた商品は、中卸の在庫となります。これが、方々のお店から順調に注文が上がれば、在庫も無くなっていくんですが、もし注文が来なかった場合、賞味期限が近づいてきてしまい、賞味期限を過ぎれば中卸の方で捨てなければならなくなります。これは、中卸にとって丸々損になります。
 
 と、言うことで、中卸はそんなリスクを避けるために、消費期限間近の商品は、原価を下げてスーパーに納品しようと持ちかけるのです。期日が来て全部捨ててしまうなら、いくらかでも値下げして買い手を捜すほうが中卸にとっても少ない痛みで済みます。

 ただ、このような理由あり商品(賞味期限が近い、等)は、広告に載せて販売すると現状の法律ではひっかかって、公正取引委員会やらにお世話になるでしょう。だから、広告には載せられないんだけど、お店に行ったらあんな商品がこんな値段で売られていた、という場合、この"訳あり商品"の可能性が特に高いです。これはお菓子やカップラーメンによく見られる傾向です。今度お店で激安商品を見かけたら、賞味期限を注視して見てください。

 また、中卸は、お店に序列をつけて卸しています。大手スーパーには日付の新しい商品を卸しますが、卸原価も高いです。それが中間スーパーでは、日付もそこそこ、卸し原価もそこそこ。ディスカウントが命のスーパーには、原価は安く卸しますが賞味期限も危ない。そうやって中卸は、お店ごとに序列をつけて、商品を振り分けています。でも、これもお店も中卸も利害が一致するなかなか侮れないシステムなのです。

 余談ですが、賞味期限の近いポテトチップスは油がまわっしまい、美味しくないし胃がもたれます。注意しましょう(^^ゞ

 
 さて、次回は「特売品をバンバン出しているお店が何故儲かるのか?」その仕組みに迫ってみようと思います(^^ゞ
[PR]

by R-130 | 2006-11-16 23:16 | 食品スーパー裏話
2006年 07月 25日
食品スーパー裏話:天候不順が野菜や果物に与える影響
 「八百屋」のブログなんで、たまには野菜や果物に関する真面目な話をしようかなーと思います(^^ゞ

 今年は、春先以降「天候不順」が密かに農業界(←そんな業界あるのか?)では問題になっていました。まずは、春先から5月いっぱいまで「日照不足」。その後、入梅後全国各地で集中豪雨。太平洋高気圧の張り出しが今年も強く、台風が来そうになったりして、梅雨前線を刺激し、全国的に大雨が記録されています。もう、とっくに梅雨明けしてもいいはずなのにまだ梅雨明けせず。このブログを書いている次の日ぐらいから、漸く九州では天候が夏らしくなりそうですが、全国的にはまだまだのようです…
 
 さて、今年の天候不順の中に具体的なキーワードが2つありました。
「日照不足」「集中豪雨(大雨)」です。この二つが、野菜や果物にどのような影響が出るのかちょっと説明してみたいと思います。


■ 「日照不足」になるとどうなるか?

【野菜:花がつかなくなり、生り物の生育不良が起こる】
 花が咲いて実を結ぶ野菜、例えばきゅうり・なす・とまと等、これを我々は「果菜類」と呼んでいるんですが、果菜類の生育不良がおきます。具体的には、花の付きが悪くなるので結果実も実りづらくなり、収穫量が減って、野菜の相場が上がります。全体の影響が及ぶような深刻な問題ではありませんが、日照不足は特に果菜類に大きなダメージを与え、また全体の成長速度が鈍る傾向を生み出します。

【果物:甘みが低くなります】
 日光は、果物の甘み(われわれはこれを「糖度」と呼んでいます)に重要な役割をもたらします。日光を沢山浴びれば糖度もあがりますが、曇天が続くと必然的に糖度が下がり、食味がよくなく、結果売れなくなります。安くてまずい果物が横行している場合、多くがこのサイクルに陥っています。


■ 「集中豪雨(大雨)」になるとどうなるか?

【野菜:収穫が出来なくなり、また多くの野菜が畑で腐ります】 
 まず大雨になると、農家の方が収穫できません。大雨が降ると、農場も一気に危険地帯になります。ぬかるんだりするので傷つけずに収穫しなければならない集中作業も出来ません。
 そして、怖いのは豪雨の後の晴天。特に夏場。水分をタップリ含んだ野菜は、その後の炎天下にさらされようものなら一気に腐ります。特にレタス・きゃべつ等の葉茎菜類はテキメンに腐ります。よくレタスやきゃべつの葉をむしっていたらいきなり腐っていたというシチュエーションの殆どは、雨をかんだ葉っぱがそのまま生育して腐ったパターンです。

【果物:果実の玉が肥大化し、甘みが低くなります】
 果実は、雨にさらされると、地下茎から雨水をぐんぐん吸い上げて、肥大化します。われわれはよく「玉伸びする」なんて言い方をします。この季節なら、すいかや桃や梨、みーんな玉伸びして大玉化します。「大きくなるならいい事じゃん」と思われがちですが、何せ水分を含んで大玉化するので水っぽくなり食味は良くないです。曇天時よりさらに糖度が下がります。特にすいかはこの影響を受けやすく、甘くない西瓜が続出します。長野のすいかは毎年甘いことで有名なんですが、今年は初荷からあまり高い値がつきません。長野も豪雨で相当被害が出ているらしいので、ひょっとすると西瓜の食味にも影響がでいる可能性が極めて高いでしょう。


さて、長々と説明して、結論は何がいいたかいと言うと、

野菜は相場が高騰!!
果物は今年は食味が期待できない


と言うことになりそうです。もう、野菜は相当に高騰していて庶民が気軽に買える値段から大きく外れてきています。九州ではトマトだけ安定しているみたいでトマトは安いです。
でも、このように安定している野菜もいずれ釣られて上がるでしょう。現に今まで安値推移の、玉ねぎやジャガイモもこの高騰を受けて、関係ないはずなのにじわじわ上がってきています。
果物は味に期待が持ちにくい状況になっています。スーパーさんによっては果物の糖度を公開しているスーパーもあるので、その糖度を参考に買いまわるのも手です。果物は美味しくてナンボ、価格は2の次と言う信念の八百屋なので、頑張っておいしい品物を仕入れようと最近は努力しています。

この傾向は、お盆当たりまで続きそうです。暫くは、野菜が「高級食材」になりそう。上手に、冷凍野菜やカット野菜(←これらはどれだけ相場が上がろうと価格は一定、但し物が調達できなければ生産中止になる可能性はあるけど…)を買って相場高騰を凌いでください(^^ゞ
[PR]

by R-130 | 2006-07-25 17:05 | 食品スーパー裏話
2006年 07月 14日
食品スーパー裏話:「先入れ・先出し」にまつわるエトセトラ
 この前、嫁とベイビーの3人で嫁の実家に車で移動中。某大手コンビニに寄った(←別に伏せなくていいんだろうけど…(^^ゞ)
 八百屋とベイビーは車でお留守番。嫁に飲み物を買って来てもらった。
 嫁は車に戻ってくるなり、嬉しそうに、
嫁:「じゃーん♪めんたいこマヨネーズおにぎりぃ」
と八百屋に見せびらかす。嫁は○○マヨネーズの具のおにぎりが好きなのだ。

しかし、その満面の笑みは次の瞬間、失望へと変わった…
嫁:「あ゛ーっ!!このおにぎり、焼きたらこになってるうぅ(゜∇゜ ;)」
おっちょこちょいな嫁のこと。八百屋はどうせ嫁が棚を間違えておにぎりを取ったのだろうと思い、
八:「どうせ隣の棚から引っ張ってきたんだろう、よく見もせずに(^_^;)」
と軽ーくうっちゃってやったら、嫁は息巻いて
嫁:「いいや!!ちゃんとめんたいこマヨネーズの棚の"一番奥の商品"を取った!!」
と主張。ここにピンと来るものがあった。
何故嫁は、めんたいこマヨネーズの棚から、焼きたらこのおにぎりを引き当ててしまったのか?憶測を交えつつ説明しよう。

例えば、めんたいこマヨネーズのおにぎりを△、焼きたらこのおにぎりを▲とする。
おにぎりの棚を真上から見下ろしていると仮定して、左がお客さんから見えるおにぎり面、右側をおにぎりの棚の壁としよう。


お客さんの目線 →→→  ▲▲▲▲▲(焼きたらこの棚)
                 △△△△△(めんたいこマヨネーズの棚)

基本的にはこんな風に並んでいるはず、だが、時としてこのような事態が発生することがある。おにぎりの在庫が、焼きたらこ6個、めんたいこマヨネーズ4個。
おにぎりは棚奥行き5個まで陳列可能。
この場合、おにぎりの総数は10個なので、無理矢理並べようとすれば2列で陳列できる。
どのように陳列するかと言うと… 


お客さんの目線 →→→  ▲▲▲▲▲(焼きたらこの棚)
                 △△△△▲(めんたいこマヨネーズの棚だけど4個しかないので焼きたらこを1個めんたいこマヨネーズの列の1番後ろに置く)

これは、おにぎりに限らず食品スーパーではよくある事象で、棚の後ろの方には得てして表示してある商品と違う商品が並んでいたりする。これがおにぎりのようにパッケージをよく見ないと分別がつかない商品の場合は、嫁のように「新しいものがいいもんね♪」と言う考えの下、奥の商品を選ぶとこういう悲劇が待っている。
コンビニ店員としても1個同一商品が棚に乗らなかったからと言ってバックヤードに引いていては手間隙かかるので、しれっと違う棚に陳列し、売れてきたら商品整理することで該当の棚に載せよう、と考えたのだろう。哀れ嫁は、新鮮な商品を買おうとしたがために、違う商品を掴まされてしまったのだ…

 さて、この「棚の奥の方の商品」を取る光景。スーパーでは当たり前のように見られる風景だ。ひどいお客さんだと、棚の奥の商品を無理矢理取ろうとして、手前に整然と並べてあるほかの商品の陳列をぐちゃぐちゃにして、奥の商品を取ろうとする。もちろん、お客様には商品を選ぶ権利があるのでこのような行為を我々小売業の定員がとがめる理由などこれっぽっちも無い。しかし、折角綺麗に並べた商品をぐちゃぐちゃにされてしまうと殺意むなしさを覚えてしまうのも事実だ。

 この「棚の奥の方の商品」を取る傾向があるのは、もうご存知だと思うが、棚の手前の方には(もっとくだけて言えば、お客様が取りやすい所には)賞味期限の古い商品を、奥の方には新しい商品が並んでいるのをお客様が理解しているからだ。
 我々もこのように陳列するように習っており、これを業界用語としては「先入れ・先だし」と言っている。先入れ・先出しは、賞味期限の古い商品から少しでも早く売れることで、商品を賞味期限切れになって捨てなくていいように売る為の、まあ我々としては販売努力の一環である。

 ここで、少しタネ明かし。それではどうすれば、「より新しい商品にありつけるのか?」を少し伝授したい。
 例えば棚の奥の方から、商品をほじくるように出すのには抵抗がある、恥ずかしい、と言う人は次の2点を知っているだけでも、古い商品を掴むリスクは減るはずだ。

1つ目は、「右手の法則」。
我々は右利きが圧倒的に多い。買い物も自然と右手で行っているひとが多いだろう。
例えば横に広い売場(例えば豆腐売場)なんかでは、この陳列テクニックが使われていることが多い。
鉄則は右側に古い商品を並べる、である。
こういうデータがある。
全ての商品が同一賞味期限の場合、どのような減り方をしていくかという実験を行った。
結果は、向かって右側から減っていったと言う。何も考えなければ、正面向かって右手を伸ばすので右側の商品からどんどん減っていく。右手の法則はこれを逆手に取っている。
賞味期限に気を遣わない人は、大体商品を右から取っていくと言う。

○賞味期限の新しい商品→ ○○○○○○○○  ←●賞味期限の古い商品 
                   ○○○○○○○○  
                   ○○○○○○○○  
                   ○○○○○○●●  
                   ○○○○○○●●  
                   ○○○○○○●●  

                【豆腐売場を真上から見た場合】

このような陳列方法を取られている可能性が高い。
よって新しい商品を取りたければ、左側を取ればよい。
豆腐などのように賞味期限があれば、期限をチェックすればよいが、我々八百屋の商品は賞味期限が無い。ともすれば、この法則は100%活用されているので、賞味期限の無い商品については右手の法則を逆手にとって欲しい。


次に「ゴールデンライン」と言う用語がある。これは、人間の目線から胸くらいまでのラインに陳列された商品はよく売れる、そのラインのことを言う。つまり、このラインに陳列された商品は賞味期限が古い可能性があるのだ。
牛乳売場を例にしよう。

      高さ
      2メートル→  ○○○○○○○○○○     ○…賞味期限の新しい商品
                ○○○○○○○○○○
                ○○○○○○○○○○
                ○○○○○○○○○○
                ○○○○○○○○○○
     1.5メートル→  ●●●●●●●●●●     ●…賞味期限の古い商品  
(大体この辺が       ●●●●●●●●●●
ゴールデンライン)    ○○○○○○○○○○
                ○○○○○○○○○○
                ○○○○○○○○○○
                ○○○○○○○○○○

                【牛乳売場を正面から見た図】

我々小売業の人間は、誤解を恐れずに言えば商品を捨てずに販売したいために(利益が残るので)あの手この手で古い商品をお客さんに行き渡らせようと、地味な努力を展開している。もちろん期限が切れた商品は廃棄するd、期限切れ間近の商品は、割引して販売している。
しかし、消費者にはもちろん商品を選ぶ権利がある。当然新しい商品の方がいいに決まっている。
そのためにもこのお話が役に立てれば幸いだ。
あと、嫁のようにパッケージもロクに見ずに買う事さえしなければ、ご希望の商品をより鮮度のよい状態で買うことが出来るだろう。

賞味期限が気になる方、ちょっとスーパーがどのように並べているか、観察してみてはいかがですか?
[PR]

by R-130 | 2006-07-14 21:56 | 食品スーパー裏話