2007年 05月 07日 ( 2 )

2007年 05月 07日
サッカー:ロナウド、中村、ペルッツィの話題
 サッカーではCLやリーグ戦以外にも様々な話題があった。
 多くの話題に触れたいのだが、その中でも特に触れたい内容を3点に絞って取り上げたい。


■ クリスティアーノ・ロナウド、3賞を独占受賞

 選手や監督、ライターらが選ぶ優秀選手賞に若手の最優秀選手賞もを受賞したロナウド。
 彼が今、世界でも最高峰のウインガーであることに疑いの余地は無い。
 とある有識者や元選手らは、ダイブ常習犯であるとか、精神的にまだ未熟、玉離れが悪い、とナンクセをつけたいようだが、個人的な見解を述べてそれらの批判に疑問を呈したい。
 自分の観戦暦が浅くて恐縮だが、今年、あのロナウドの高速ドリブルに後ろに下がりながらディフェンスの応対に追われていたDFを何人も見た。局地的に見るシーンではあっても、シーズンに同一選手が何回も相手に向かってドリブルを仕掛け、それに対して下がりながら応対するしか術の無いシーンなんて、今まで見られるものではなかった。速く、ドリブルに切れがあり、しかもトリッキー。見ていてこれほど魅了される"高速"なドリブルは見たことが無い。技巧派のドリブルは良く見受けられるが、技術にスピードをミックスしてこれほどまでに絶技として昇華されたドリブルは見たことが無い。
 そして、彼は単なるドリブラーではない。得点能力も高く、ヘディングの打点も高い。彼が現在のウインガーとしての資質をほぼ兼ね備えているのは、彼の得点力からも良く分かる。クロス、と言うよりも自らフィニィッシュにも絡み、セットプレーでもマーカーをつけなければならないほど得点力が高い、しかもFKやPKも蹴ることが出来る…これほどまでに優秀なタレントはそうはいない。
 今シーズンの開幕前は、W杯でのルーニーとのいさかいでチームでの孤立が心配された。しかし、ルーニーがコメントを発し、この混乱に終止符を打つとロナウドも輝き始める。そして、今やユナイテッドに無くてはならないウイングとして成長した。これでも彼はまだ精神的に未熟なのだろうか。
 CLベスト4-2ndlegのロナウドの無謀なドリブルを批判する輩もいた。しかしそれは違う。あの時はピッチにいる誰もが過密日程に疲弊していた。ロナウドにいつもの様にヘルプが来ないのを自覚すると、どうにか自分で局面を打開しようと臨んだのである。決して昔のように自分の技術におぼれたわけではない。
 今年の夏にロッベンと共にウインガーの移籍市場を賑わせるであろうロナウド。レアル・マドリーのように戦術がフレキシブルに取れないカペッロの元に行く位なら、このままマンUに残留して、ビッグイヤーの獲得に貢献してもらいたい。



■ 中村俊輔、スコットランドでMVPと報道関係者賞のW受賞

 前述のロナウドに何と無く似た記事だが、日本人である、と言うことで何と無くうれしい話題でもある。
 彼が今年のセルティックの戦術を大きく変え、また優勝やCL決勝T出場に貢献したことに、これも疑いの余地は無い。
 しかし彼の場合、これで名実共に世界に名だたるトップ下の選手になったかといえば、それについてはNo、である。それを知らしめたのは、CLベスト16の対ミラン戦。彼は仕事らしい仕事が全く出来ないままベスト16で世界の舞台から姿を消している。この辺の当たりの強さ、したたかなディフェンスに対して、どのように自分を活かしていくのかが、今後の課題となるであろう。
 彼は、セルティックへの残留に前向きに検討しているようだが、未だ根強いリーガエスパニョーラへの移籍話もくすぶり続けている。一部有識者によれば、中村の技能向上のためにもスペインへ移籍すべきだという記事も目にしたことがある。
 では、スコットランドに残った場合、彼は成長できないと言うのであろうか?
 それはもちろんNoである。
 それもこれも本人次第と言うことだ。セルティックでは不動のレギュラー、と言うポジションに甘んじてしまえばそこで彼の成長は止まってしまうであろうし、現状に満足することなく切磋琢磨を続ければ、今後も延びる余地は充分にある。世界の舞台の経験を活かして自分を寄り窮地に追い込む事だって出来る。
 そして大事なことは、試合にコンスタントに出場し続けること。これに尽きる。そして欲を言えば、常に出場し続け、常に水準以上のパフォーマンスを発揮すること、これがプロの鏡だろう。
 スペインに移籍することに反対ではない。移籍ももちろん大きなチャレンジであり、自らを磨くチャンスである。しかし、試合に出られなくなったり、監督の戦術の犠牲となって全く不得手なポジションをさせられた結果、中田英のように器用貧乏になってしまう可能性も否定できない。彼はボランチなどではなく、攻撃的MFとして2列目の技術を磨くべきである。
 話は少し横道にそれるが、セルティックの偉大な外国人助っ人として、元スウェーデン代表FWのヘンリク・ラーションがいる。彼の実績や経歴の説明はより詳しいサイトに譲るとして、セルティックに6年間在籍した彼は、様々な記録にそして記憶に残るゴールを決め、偉大な外国人助っ人として今尚語り草となっている。アジア発の外国人助っ人中村俊輔が、ラーションに並び称されるような外国人助っ人になるかどうか、それを応援したい気持ちでいっぱいの今日この頃である。



■ 元イタリア代表"名"GK アンジェロ・ペルッツィ引退

 最後に、イタリア国籍のGKの引退について取り上げたい。
 この前のローマダービーを最後に引退したその選手の名前は、アンジェロ・ペルッッイ。長きに渡り、カテナチオの最後の番人として、ブッフォンが成長するまでイタリアのゴールマウスを守りぬいた男である。
 彼の経歴も、詳しくは他のサイトに譲るとするが、経歴だけ紹介するとASローマでデビュー後、ヴェローナ→ユベントス→インテル→ラツィオとセリエAの有力チームで全てレギュラーを張ってA在籍のまま引退すると言うイタリア人国籍のGKとしては稀な選手であった(GKは経験を買われ、高齢になってもBやCに在籍する選手が多い)。
 自分がペルッツィのパフォーマンスを最初に目の当たりにしたのは、96-97シーズンのユベントス在籍時。2本で合計180分に満たないVHSでの年間ダイジェストテープだったが彼の活躍には舌を巻いた。
 守備範囲が決して広いわけでもない。ハイボールの処理がうまいわけでもない。今のようにDFラインとキーパーの間にスペースがあるわけでもないので飛び出しがうまいわけでもない。
 しかし、ゴールマウスに飛んでくるボールへの反応や動きが他のキーパーと一線を画していた。特に至近距離からのセービングはブッフォンやカシージャス以上である。
 彼の体つきはボクサー体型だと言う事らしい。肉付きが良く、特に上半身はユニフォーム姿からも筋肉が盛り上がっていることを想像させる。その隊形は俊敏さとは程遠そうに見えるが、実際は類稀な体のバネが想像をはるかに超える瞬発力を生み出し、持ち味の反射神経との相乗効果で、ありえないようなグッドセーブを連発するのである。
 この年のマルチエロ・リッピ率いるユベントスは、昨年の優勝メンバーであるヴィアリやパウロ・ソウザと言ったベテラン勢を一掃し、ジダン、ヴィエリ、ダーヴィッツ、デル・ピエロ等のニューカマーや若手を大胆起用して、セリエAを席捲した。その安定した守備は、フェラーラとこのペルッツィによって成し得たものである。とにかく至近距離からのセーブは必見で、彼の場合山掛けで飛んでいるというわけでなく、シュートが放たれた後にしっかり反応しながら、普通は防げないというゴールを掻き出すのだから、FWとしては相手にしたくない存在だっただろう。

 彼の境遇は、当時のイタリア代表の双璧と言われたジャンルカ・パリュウカ(当時インテル、現アスコリ)と共に切磋琢磨しながら代表でもポジションを争いつつ成長を続けた。少し前の、ブッフォンとトルドに状況が似ているかもしれない。
 98年W杯こそは経験の差と怪我もあり、パリュウカにレギュラーを奪われたが、その後はブッフォンが現れるまでイタリアのゴールマウスを守り続け、06年W杯でもメンバーに名を連ねるほどの実力者だった。
 2000年初頭のセリエAは大物GKの玉突き移籍が非常に多かった。ペルッツィもその中でインテルなどにも在籍し、最後は当時のラツィオオーナー(だったと思う)ツェッキゴーリの肝いりで(この辺も曖昧…)不安定なマルケジャーニに代えてペルッツィを獲得したという経緯があった。当時のバブル絶頂期のラツィオであったが。

 その後多くの大物選手がラツィオを後にする中、ペルッツィは黙々とゴールを守り続け、今年のローマダービーを最後に引退を発表。
 本人は既に数戦前から決めていたらしく、指の痛み止めとして注射を3本打って試合に臨んでいたが、それも限界寸前だったという。

 自分も中学時代にGKをやっていたのだが、彼の動きと言うのが尋常ではないことはすぐにわかった。その往年のセービングは今シーズンも見られていたが、今年が見納めだったのは残念で仕方が無い。
 しかし、彼の決定は尊重したいし、本当にお疲れ様と言いたい選手の一人であることは間違いない。
 数少ない、キーパーで魅せられる選手の1人であった。
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by R-130 | 2007-05-07 03:05 | ∟Football otherissue
2007年 05月 07日
サッカー:プレミア37節 マンU16回目のリーグ優勝を決める
 プレミアリーグは大詰めの37節。チェルシーとマンUの直接対決を待たずに優勝が決まってしまった。非常に残念である。
 しかも、勝負の行方は両試合ともPKによるものだった。

 土曜日に開催され、マンチェスターダービー。
 試合は、ロナウドが得たPKをしっかり決めてマンUが先制する。
 しかしその後は動きに精彩を欠き得点が出来ずに1-0のまま迎えた80分、今度はマンCがPK獲得するという、マンUにとっては悪夢のような展開が待ち受けていた。
 しかし、ヴァッセルのシュートをファン・デルサールが足で執念のセーブを見せて得点を許さずにそのままタイムアップ。
 マンUが王手をかけて、アーセナルvsチェルシーの結果を待つことになった。

 日曜日に開催された、アーセナルvsチェルシー。
 チェルシーは残りの試合3連勝しない限り優勝がありえなくなった。今節引き分けでも、マンUの優勝が決まってしまう。
 しかし、チェルシーは各選手の疲労を考慮して、ドログバ、A・コールをベンチにも入れなかった。FWは、左から、J・コール、カルー、ライト・フィリップスと言う純粋CFを欠く4-3-3の布陣に。CBはカルバーリョの穴を約2ヶ月ぶりスタメンのブラルースが埋める事となった。

 実はCLベスト4-2ndlegの前の試合で、カルバーリョを使わずブラルースを試すべきではないかとブログに書こうと思っていた。やはりカルバーリョにかかる負担が大きすぎで、いつ離脱してもおかしくない状況にもかかわらず、モウリーニョは大一番を控えた前の試合にもカルバーリョを起用。結果怪我を悪化させてしまったのだが、この試合を見て、ブラルースをどうしてモウリーニョが使わないのか改めてよくわかった試合になってしまった。
 モウリーニョのゲームプランを台無しにしたのは42分。ブラルースのバプティスタへの不用意な後方からのファウルだった。味方からの後方のパスに処理を誤ったブラルース。バプティスタに掻っ攫われそうになりたまらずファウル。これでブラルースは一発退場。勝たなければならない試合で、赤紙一発のPK献上と言う最悪のシナリオを書き上げて、ブラルースはエミレーツスタジアムを後にする。
 ブラルースの守備は前半からお粗末過ぎたがこんなオチまでついてくるとはさすがに予想しなかった。彼は来期間違いなく、チェルシーのメンバーから外れるだろう。

 PKをジウベルト・シウバがきっちり決めて1-0でアーセナルが前半を折り返し。敗色濃厚のチェルシーをこの男が発破をかける。
 その名は、ミカエル・エッシェン。ドログバ同様、ここぞと言うときにチェルシーを救ったチェルシーに必要不可欠の男である。
 10名と言う数的不利で防戦一方のチェルシーにあって、唯一のチャンスとなったCKのこぼれ球をライト・フィリップスが絶妙のクロス。エリア内に残っていたエッシェンがニアサイドで合わせて起死回生になりうる同点ゴールを叩き込む。
 この男の発奮に、諦めかけていたチェルシーイレブン(あ、ひとり少ないのでテン?)が発奮する。
 J・コールのレーマンの位置を見ての見事なシュートは残念ながらオフサイド。ロスタイムには、フレブのシュートを紙一重でふさいだツェフからのカウンターに、カルーが応え、逆転のシュートを放ったかに見えたがこれはレーマンの正面上に飛んでしまい、レーマンがパンチングで逃れ、万事休す。
 1-1でタイムアップ。10人のチェルシーが最後までアーセナルを追い詰めたが逆転には至らず、この瞬間、マンUの02-03ズン以来の16回目の優勝が決定した。

 しかし、モウリーニョ監督は素晴らしい。
 試合終了後、いきなりピッチに降り立ったモウリーニョは、アウェーシートに駆け寄ると、
"(チェルシーの)選手たちを褒めてやってくれ、拍手してくれ"
と言うジェスチャーを見せたのである。エミレーツに駆けつけたブルースファンは、全員スタンディングオーベーションでチェルシーの選手を迎えてくれた。
 モウリーニョもまた、選手一人一人に声をかけていた。この辺が選手たちに信頼されている所以だろう。

 カネに物を言わせて大物選手を吊り上げてくるチェルシーのやり方は嫌いである。
 しかし、モウリーニョの監督としての技量は本当に尊敬に値する。
 舌戦や心理戦を仕掛けすぎるきらいがあるが、それも勝ちたいがための彼なりのパフォーマンスである。是非、FACupでは今週で2つのタイトルを落とした無念を晴らしてもらいたい。
 そして、以前にも述べたとおり、脂モビッチは、モウリーニョをクビニしてはならない。彼をクビにすれば、有力選手の流出は避けられないだろう。

 最後にマンUの優勝について一言言わせてもらいたい。
 詳しい振り返りは後日行いたいが、 今シーズンのマンUは、特に攻撃力で絶大な力を発揮した。リーグで奪った得点はそれを物語っているし、正直それ以上に得点をとってもおかしくない位のパフォーマンスがあった。
 しかし、今シーズン開幕前に、マンUがここまで強さを見せるなんて予想した有識者は1人もいなかった。
 層は決して厚くないまま、今シーズンを迎えた感がある。

 しかし、それでも優勝できたのには三つの偶然が重なっている。

① ギグス、スコールズと言ったベテラン勢が殆ど故障することも無く、しかもいいコンディションで通年働けたこと
② アーセナル、リバプールと言ったビッグ4の内の2チームがあまりにも不甲斐なさ過ぎたこと
③ チェルシーに、マンU以上に怪我人が続出したこと

 特に偶然①は、本当に出来すぎの内容だった。
 スコールズ、ギグス共に出色の出来だった今シーズン、しかもほぼ安定したパフォーマンスを見せるなんて誰が想像したか。
 これは一歩間違えれば、ユナイテッドもガンナーズやレッズの仲間入りをしていた可能性が高いのだ。はっきり言ってこの優勝は奇跡的に近かった。ファーガソンの見通しは甘いと糾弾されてもおかしくないシーズンだったのだ。

 ただ、ルーニーやロナウド、そして前半戦の立役者のサハや季節労働者になったラーションの活躍は見逃せない。特にロナウドはこの1年で本当に成長した。
 来期はいい補強が出来れば、今年同様、チェルシーと互角の戦いが出来るだろう。

 奇跡に近い、と批判を交えつつも、今年のユナイテッドは本当に勝負強かった。
 そういう意味では、優勝に心から拍手を送りたい。
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by R-130 | 2007-05-07 02:35 | ∟Premierleague 06-07