2007年 04月 20日 ( 1 )

2007年 04月 20日
サッカー:セリエA23節(延期分) インテル、やはり勝負どころに弱し
 久々にセリエの記事をとりあげる。恐らく自分の記憶が正しければミラノダービー以来じゃないだろうか。
 今節の第23節はミッドウィーク開催になったのだが、これはもともとは日程として組まれていなかったものが移動してきたもの。
 そう、あのカターニャの暴動事件で延期になった第23節の残り開催分である。
 ちなみにこの第23節。目玉のインテルとローマの直接対決がそのまま延期になり残念な思いをしたのを覚えているが、それが今回、非常に意味のある1戦となって帰って来た。
 それは、インテルが、ホームサン・シーロでローマに勝利すれば、06-07シーズンのスクデットを獲得できる、と言う条件付の試合になったのだ。
 ホーム・サン・シーロでスクデットを決められ、尚且つセリエA2位、スペクタクル度ではインテルをも上回ると絶賛のローマを叩いて優勝できるとあって、インテルとしては優勝して更にチームとしての存在意義を高めたいところだろうが、果たして試合はどうなったのか?振り返りたい。


● インテル 1 --- 3 ASローマ ○  at ジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)
【得点者】 ペッロッタ('44) マテラッツィ('52)(PK) トッティ('89) カッセッティ('90+5)
【警告・退場】 フィーゴ(b) サネッティ(b) スタンコビッチ(b) マテラツツィ(b)
         マンシーニ(b) メクセス(b) ピサロ(b) ドニ(b)


■ インテル  4-4-2

    イブラヒモビッチ   アドリアーノ

          スタンコビッチ

    サネッティ        フィーゴ

           カンビアッソ

グロッソ  マテラッツィ  コルドバ  マイコン

             セーザル
【交代】
 アドリアーノ   →   クルス ('61)
 グロッソ   →   ダクール ('61)
 カンビアッソ   →   レコバ   ('90)

 いまいち自信が無いが、スタートは4-4-2のロンボ型。フィーゴが高め、サネッティが低めでプレー。後半16分に、流れを引き寄せるべく、"勝利の方程式"クルスを投入するもこれが大誤算。逆転されて踏ん切りがついたのかレコバを90分に投入するも時既に遅すぎ。この辺の采配の遅さが不満。


■ ASローマ  4-5-1

         トッティ

マンシーニ  ペッロッタ  ヴィルヘルムション

     デ・ロッシ   ピサロ

キヴ  メクセス  フェラーリ  パヌッチ

          ドニ
【交代】

 ヴィルヘルムション   →   カッセッティ   ('74)
 マンシーニ   →   ヴチニッチ   ('77)
 トッティ   →   トネット   ('90)

 キブを左サイドに回し、メクセス・フェラーリの2枚岩。フェラーリが好調なら、攻守にわたりプラスが期待できるこのフォーメーションがベストだろう。
 しかし攻撃陣は層が薄い上に、タッディ、アクイラーニが不在のため、切り札らしい切り札のないスパレッティ監督。交代も何処か渋め。ヴィルヘルムションの替えがカッセッティと言うところに層の薄さを痛感する。でも、カッセッティはちゃんとインテルの息の根を止めたから大したもんか。


 両陣営とも怪我人を抱え、ベストとはいえない。
 インテルは、クレスポ・ヴィエラ・マクスウェル。ローマは、タッディとアクイラーニ。層から考えれば、ローマにとってタッディがいないのは相当に痛い。代役はヴィルヘルムション。

 前半。
 試合の主導権を握ったのはローマ。インテルはお約束のスクデット目前の緊張感からか動きが固く、特に中盤の守備がルーズ。ローマに良い様にゲームをクリエイトされる。
 20分。トッティの強烈シュート→J・セーザルが好セーブ→こぼれ球をペッロッタ蹴りこむ→またもJ・セーザルが好セーブ。さっきセーブして、もうここにいるのか!!と言う感じのJ・セーザルのグッドセーブでインテルは難を逃れる。
 34分。デ・ロッシの浮き球のパスにペッロッタが走りこんでシュートもこれはクロスバーの上。しかしペッロッタの動き出しが絶妙。試合のキーポイントに必ず彼がいたのが印象的だった。
 39分。トッティのポストプレー。マイナスに戻したパスに、マンシーニがダイレクトでシュート。これもJ・セーザルが片手で辛うじて当てて、ポストに救われる。前半はJ・セーザルのセーブに救われた形のインテル。
 一方のインテルは攻めにやや決め手を欠き、大きなチャンスは31分、スタンコビッチがペナルティーエリアの外、左斜め45度から強烈なミドルを放つがこれはポストに当たってゴールラインを割った。その他にもグロッソとフィーゴの崩しなどがあったが決定機は作れず。
 前半も終わりがけの44分に試合後動く。
 マンシーニがバイタルエリアでためて左サイドに動くデ・ロッシへ→左サイドを駆け上がるキヴへ→グラウンダーのセンタリング→詰めていたペッロッタが押し込みゴール!!ローマ先制。ワンタッチやダイレクトのパスを織り交ぜ、インテルDF陣を翻弄、ローマらしい得点で1-0。試合が動いた。 

 後半。
 インテルがねじを巻いてきたのか反撃。
 46分。カウンターからフィーゴが左サイドを突破し、センタリング。アドリアーノに絶妙に渡るかに見えたが、これをメクセスが読みでカバーリングに入り間一髪の間で防ぐ。
 50分。疑惑のシーン。ズラタンのスルーパスにアドリアーノが反応。ドニもボールに行こうとするが間合い的には少し間に合わない。アドリアーノがもったところで、ドニとアドリアーノが接触、し・た・か・に見えた。もんどりうって倒れるアドリアーノ。主審はPKの判定。
 ガッツポーズするズラタン。アドリアーノも倒れこそしていたが顔が微妙ににやけていた。
 マンシーニを初めとするローマ選手はこれに猛抗議。マンシーニはアドリアーノのダイブを主張しすぎて主審からイエローを喰らっている。
 これで得たPKをマテラツツィが見事に決めて、インテルが同点。俄然勢いづく、かに見えた。

 ここでこの疑惑のプレーは後にアドリアーノのダイブと判定され、アドリアーノに2戦の出場停止処分が下る。これに対してインテル側は抗議しているが、ビデオで見る限り間違いなくシミュレーションであった。

 この後試合はヒートアップ。ピサロのフィーゴへのファールでちょっとした両軍のもめあいにもなり、この試合への意気込みが感じられる。
 後半は若干インテルペースか。動きが前半に比べてスムーズ、守備も中盤で機能するようになりローマに前半ほどゲームを作らせない。
 インテルの攻撃が続く。
 マイコンの右サイドからのクロス→アドリアーノヘッド→右ポストにあたりローマ救われる。
 スタンコビッチの高速クロス→ズラタン感じてはいたが若干届かずゴールならず。
 スタンコビッチまたも強烈ミドル→ドニセーブ。
 後半は、ドニが忙しい。

 しかし25分を過ぎたあたりから、両チームの運動量が減少。暑さでバテ気味か、プレーもファールで止まることが多くなってきた。
 そんな膠着状態を打破したのがローマのトッティだった。
 89分。トッティのFKがフィーゴのひじに当たって入るラッキーなゴールで再び勝ち越し、1-2。こけで事実上勝負は決まった。
 ロスタイムにはローマのカウンター。デ・ロッシが持ち込んでDFをひきつけて、右サイドのフリーのカッセッティへ。カッセッティが落ち着いて決めて1-3。インテルに引導を渡した。

 インテルは、ホームで優勝を決められないばかりか、今季初黒星を喫した。またしても、インテルは詰めを誤り、インテルらしい結果に終わってしまった。


 インテルらしい、と言ってしまえばそれまでだ。
 過去を紐解けば01-02シーズン、インテルは最終節に破れ(当時の監督はエクトル・クーペル)ユベントスにスクデットを掻っ攫われたのが記憶に新しい。これ以外にもインテルは勝負どころで悉く勝負弱さを見せ付けてくれる、"愛らしい"チームとも言える。
 しかし、だからインテルは最強にはなれないのだ。
 どれだけ優秀な選手を集めても、最後の何と言うか、メンタリティー的な部分が何か欠落しているのだ。だから今年もバレンシアに負けることなくCLは敗退していった。ここぞと言うときに何かがインテルには長きに渡り欠落している。それが今年のメンバーをもってしても打破出来なかった。
 八百屋の私見だが、これを打破する力こそ、監督に求められている資質だと思う。残念ながら今のマンチーニにはその資質は備わっていない。1-1の後、2枚換えした後うまく行かなくても模様眺めに終始してしまい、大事な勝負どころを看過してしまったのだ。90分にレコバを投入して何をしようと言うのか。この辺の腰の重さは、流れを変え得る上で致命傷だ。
 更にもうひとつ批判させてもらえれば、マンチーニ監督は今までローマの何を見てきたのだろうかと言うことだ。中盤を自由にさせすぎ、神出鬼没のペッロッタにマンマークもつけない。これで前半1点で収まったのはJ・セーザルのグッドセーブがあったから。彼がいなければ前半で0-3になっていたかもしれない。前半から明らかに監督として致命的なミスを犯していた。
 
 今季恐らくスクデットを取るであろマンチーニ監督を切る理由はどこにも見当たらないが、あえて解任し、違う監督にタクトを揮わせる方がより良いインテルになるだろう。これだけのスカッドを有しているのである。捌く人が捌けばもっと面白いチームになるはずだ。

 23節の延期は、思わぬドラマを生んでくれた。
 それは、インテルがやはり今もってしても最強ではないと言うことを知らしめる、ドラマチックな1節であったという風に八百屋は考えている。
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by R-130 | 2007-04-20 23:43 | ∟Serie A 06-07