2007年 03月 18日 ( 1 )

2007年 03月 18日
F1:第1戦オーストラリアGP予選 ライコネンがP.P.そして予想外の大健闘SuperAguriは…
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Pos. ドライバー コンストラクターズ Tyres Time
1 K・ライコネン フェラーリ 1:26.072
2 F・アロンソ マクラーレン 1:26.493
3 N・ハイドフェルド BMW 1:26.556
4 L・ハミルトン マクラーレン 1:26.755
5 R・クビサ BMW 1:27.347
6 G・フィジケラ ルノー 1:27.634
7 M・ウェーバー レッドブル 1:27.934
8 J・トゥルーリ トヨタ 1:28.404
9 R・シューマッハ トヨタ 1:28.692
10 佐藤 琢磨 スーパー アグリ 1:28.871
11 A・デビッドソン スーパー アグリ 1:26.909
12 N・ロズベルグ ウィリアムズ 1:26.914
13 H・コヴァライネン ルノー 1:26.964
14 J・バトン ホンダ 1:27.264
15 A・ブルツ ウィリアムズ 1:27.393
16 F・マッサ フェラーリ 1:26.712
17 R・バリチェロ ホンダ 1:27.596
18 S・スピード トロロッソ 1:28.305
19 D・クルサード レッドブル 1:28.579
20 V・リウッツィ トロロッソ 1:29.267
21 A・スーティル スパイカー 1:29.339
22 C・アルバース スパイカー 1:31.932

(文中のタイムや写真はF1-Live.comを参照)

 ほぼ快晴のコンディションで始まった予選。
 Q1では、お馴染みの昨年のワースト3チームが最初にコースインして、その後続々とコースインする恒例の展開。最初はSuperAguriの2台もタイムが伸び悩み、やはりQ2進出は難しいかなぁと思っていた矢先、2回目のアタックラップでディヴィッドソンが8位、琢磨12位と余裕の通過ラインに。そして、今回のQ1はトップから17位までが1秒1の間に入る大混戦となった。その混戦の中、HONDAのバリチェロがノックアウト。レッドブルのクルサードもマシントラブルか、トップから1秒9遅れてノックアウト。その他、スピード、リウッツィ、スーティル、アルバースがノックアウトして行った。かつて3チームでテールエンダーを温めていたうちの2チーム、スパイカーとSTRはSuperAguriの大躍進をどのような気持ちで眺めていたのだろうか…
 そして、参戦2年目にして2台ともQ2進出を開幕戦でやってのけたSuperAguriには更に劇的なドラマが待っていた…

 Q2は、ピットでトロリージャッキを引きずってスタートしたトゥルーリ、そしてギアトラブルでスローダウンしているラルフと、TOYOTA勢の不振が、Q2の荒れた展開を予想させる。
 そして、優勝候補最有力のフェラーリ・マッサがギアボックスのトラブルでまさかのノータイムに終わり騒然とする中、更にはルノーのコヴァライネンがタイムアタックに失敗。もともと一発のタイムに難があることが指摘されていたルノーだが、コヴァライネンがそのジレンマにはまりQ2でノックダウンしていく。
 そして圧巻はSuperAguri。ギリギリまで琢磨とディヴィッドソンが10位以内に残る健闘を見せていたが、最後の最後でディヴィッドソンが11位に脱落するも、琢磨は10位を死守し、なんといきなりSuperAguriは開幕戦でQ3に挑むという奇想天外な展開が待っていた。
 チームがQに進まないだろうと見て、給油機を用意していなかったのが、このチームの慌てぶりを最大限に表現していたといっていいだろう。チームですら、Q3は夢物語だと思っていたのだ。まさに大波乱である。
 Q2のノックダウンは、その他にブルツ、バトン、ロズベルグ。ワークスHONDAはまさかのSuperAguriに完敗。ラルフはギアボックストラブルを克服してトゥルーリと共にQ3に生き残れたことにメディアもチームも驚きを隠せなかっただろう。どうやら、バーレーンの後にプライベートテストを行ったヘレスでの結果が非常に良かったということらしい。

 Q3では、フェラーリのライコネンが圧倒的なタイムでP.P.を獲得。2位アロンソよりコンマ4以上速いタイムで、燃料の軽さを予想させるタイムだ。2位アロンソ、4位ハミルトンに割って入ったのがBMWのハイドフェルド。戦前の予想通り見事な速さで3位に食い込んだ。クビカも5番手である。
 ただ、タイムを見る限り26秒台はハミルトンまで。5位クビカはハイドフェルドと燃料搭載量が違うのか1秒近い差がある。事実上、フェラーリ・ライコネンをアロンソとハミルトンが追いかける展開になりそうだ。早くも今年の主役と目される二人のマッチレースが見られるのか。
 そして琢磨は燃料をたっぷり積んで10番手。明日は堅実な走りで、後ろをブロックして、あわよくばポイントを稼ごうと言うストラテジーだろう。考えていない割にはなかなか現実的な作戦だろう。


 予選では、ほぼ戦前の予想通りの結果となった。
 3強+BMWの構図は変わらない。ルノーはこのように非パーマネントサーキットでは、尚の事一発のタイムが出にくいだろう。この辺が課題になりそうだ。いくらレースペースが優れていても、前に遅い車に頭を抑えられたらストラテジーも台無しになりかねない。
 テストでふるわなかった、レッドブルとTOYOTA。この2チームは、バーレーンの2週に渡るテストの後ヨーロッパで居残りテストを実施している。それが功を奏しているのかもしれない。フェラーリも同様である。
 
 そして、最大の驚きはSuperAguri。まさかまさかのQ3進出、しかもワークスHONDAを抑えての大激走は誰も予想し得なかった"快挙"である。
 今年のSuperAguriに八百屋は厳しい目を向けていた。
 以前のエントリーでも指摘していたようにSA06BがブラジルGPで激走したのは、BSタイヤの恩恵が大きいと思っていた。しかも、今年のマシンはRA106のコピーだと騒がれていた。実際冬のテストはHONDAからRA106をハイブリッド化して借り受けての走行だっただけに、その噂は現実味を持って受け入れられていた。
 今年は2年目のSuperAguri。去年は1年目だったこと、参戦を急遽1年前倒ししたことで、ある程度の甘えが許されるような風潮があった。しかし、今年は2年目。甘えは許されないと思っていた。その矢先にカスタマーシャーシの噂が浮上。もしSuperAguriがRA106改を持ち込んだら、流石の日本チームでも糾弾しようと思っていた。そんな甘い考えでF1を戦ってほしくないと言う気持ちもあり、それでは、海外のメディアからSuperAguriはただの道楽である、と言う意見に反論できなくなるからでもあった。
 クラッシュテスト不合格や、スポンサー獲得の難航など、非常多くの困難を抱えながらも今週半ばにようやくSA07が発表。RA106(1部RA107)に酷似しているところもあったが、フロント周りなどは違っていたため、八百屋的にはこれならOKだと思った。(少なくともRB3とSTRよりは全然いいと思う。)しかし、テストが全く出来ていないことから、とにかく序盤はテールエンダーから免れないだろうと思っていた。

 しかし、蓋を開けてみればどうだ!!
 まだまだこんな新興チームが夢を見られるような土台がF1にもあったというのか。並み居る有力チームを押しのけて、更にはワークスHONDAも眼中にない、と言った感じで次元の違う走りを見せて(次元=去年との比較と言う意味での次元)琢磨がQ3まで生き残るという快走劇を披露してくれた。
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 琢磨もこのグランプリウイーク、常にディヴィッドソンの後塵を拝していただけにここぞと言う時に前に出られたのはことのほか嬉しかっただろう。もし順位が1つでも違えば、Q3進出は無かったのだから。
 SuperAguri、恐れ入りました。あなたたちのことを過小評価していたことを謝ります。もう10年以上も前になるような気がするこの下位チームの快走。この下克上を今シーズン1戦でも多く見せてもらいたい!!

 そして琢磨。明日の決勝はバトルもしてもらいたい気もするが、クレバーな走りも心がけて欲しい。明日は何と言っても開幕戦。波乱の可能性も充分にある。10番手と言うポジションから考えても、走っているだけでポイントが転がり込む可能性もあるのだ。淡々と走れ、とは言わないが不用意に仕掛けて自滅だけは避けてもらいたい。彼が、色々な意味で更に上の階段に上がる為の大きな試練だと思う。ファイターも素晴らしいが強くないとポイントは取れない。日本人がF1と言う第一線で少しでも長く活躍してもらいたいためのお願いでもある。

 そして、噂にあがっていたコリン・コレス率いるスパイカーは、SuperAguriのみを異議申し立ての行動に出た。RB3とSTR2については、同シャーシを使用しているかどうかの確認が取れなかった、と言うのが理由らしいが、あんなのエンジンとその周り、ギアボックスと後方処理以外は酷似しており、あちらの方がコピーと言われても仕方ないと思うが、SuperAguriのみの提訴と言うことは、やはりコリン・コレスはSuperAguriの大躍進がことのほか気に入らなかったからだろう。これを"クロ"と判定すれば、RB3とSTR2もクロになるだろう。そうすれば3チーム6台が最悪グランプリから除外される可能性もある。それを考慮すれば、そしてSA07は前述の2台のようにコピーだ、とは言えない形状も持ち合わせており、恐らく裁定は"シロ"だと思う。思う、としか言えないのはこれを決めるのはFIAではなく裁判所である、と言うところ。この辺の諸々の事情が加味されない可能性が高いので、絶対シロとはいえないのが実情だ。

 SuperAguriを取り巻く環境はポジティヴなものばかりではないが、まずは明日の決勝に集中してもらいたい。ディヴィッドソンも11位なのだ。うまくすればどちらかがポイントにありつける可能性は高い。
 ライコネンとアロンソを初めとする新勢力の対決を楽しみつつ、SuperAguriの快走にも期待したい、明日の決勝である!!
 (生で観戦できないのが何とも悔やまれます。今日の予選も生で見られませんでしたし…くうぅーっ!!)
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by R-130 | 2007-03-18 00:02 | ∟F1 2007 Quaurify