2006年 11月 24日 ( 1 )

2006年 11月 24日
サッカー:UEFAチャンピオンズリーググループステージ第5節 観戦記
 今回は、CLグループステージ第5節の観戦記を簡単に。やはり、特にプレミア勢はリーガで天王山が週末に控えているためか、元気がなかったような気がした。後、現状のリーガの勢いがそのままCLの試合の趨勢に現れているチームも少なくなかった。それでは、簡単に振り返りたい。


○ 1 セルティック - 0 マンチェスター・ユナイテッド ●

 中村俊輔が出場+セルティックの決勝Tを占なう大事な1戦、と言うことで無条件生観戦!!八百屋的には引き分けで、最終節に望んでくれれば…と言う打算的考えだったので、この結果には驚きを隠せなかった。
 しかし、前半はセルティックは最悪に近い戦いっぷり。ボールが回らない。中盤以降前に出そうとするとユナイテッドのプレスに、すごすごと後退。または、簡単にインターセプトされてあっさりカウンターを喰らう始末。特に中盤のスノは、運動量はあるのだが、パス・ディフェンス共に水準以下でスコットランドでは通用しても、CLでは通用しないことを改めて実感。今後は彼は後半の守備固めで使い、前半はヤロシクやマローニーを使ったほうが攻撃面ではプラスになりそうだ。守備面では大いに問題が残りそうだが…しかし、バルデが復帰したことで、バルデをボランチに据えて前3人を攻撃的に振舞わせることも可能かと思われる。(CBの駒が不足しそうで過密日程をこなすのに難がありそうだが)
 実際、マローニーとヤロシクを投入した後半は、セルティックらしさが戻り、中村も左サイドから右サイドにポジションチェンジして、ヤロシクとの連携でチャンスメイクに貢献していた。
 特に、今回はヤロシクが利いていた。前線でのくさびやポストプレーもこなしつつ、右サイドで中村と連動を図ってチャンスメイクにも貢献。ヘッセリンクとの相性も良さそうだ。実際、スカパーの解説者が「今日のMVPはストラカン監督ですね」と言う言葉は、なるほど説得力があった。

 一方のユナイテッドは、よく言えば軽くプレー。悪く言えば、ゲームへの執着が薄かったと思う。これは、最近のチーム力の低下(選手によってはコンディションが上向いている人もいるが、チーム力としては低下しているように八百屋には見受けられる)と、今週末のチェルシーとの首位攻防戦を見据えて、モチベーションが上がらなかったのがあったと思う。実際、C・ロナウドのドリブルをセルティックのDF陣は誰も止められなかった。スコットランドリーグで現在あのようなドリブラーは存在しない。本当に彼に触ることすら出来なかった。しかし、C・ロナウドの最後のシュート精度が低いのに救われた感じだった。
 ただ、ギグス、スコールズと言ったロートルな選手と、キャリックと言うパス回しには定評があってもダイナミズムに欠ける選手で構成される中盤は、ギグス・スコールズが良かった序盤戦は機能したがここに来て段々勢いを落としている感がある。パク・チソン(現在離脱中)の不在は痛いし、フレッチャーやリチャードソンのような若手にこの1戦を託した方が、ユナイテッドとしては、より良い戦いが出来たかもしれない。少なくとも、ルーニーとサハは調子は良いのだから…

 やはり、よりモチベーションの高かったセルティックに軍配が上がった。中村俊輔の絶妙のフリーキックも、適度な緊張を持って蹴った結果だと思うし、ボルツのスーパーセーブはやはり、勝利への執念を見せたセルティック、及びホームサポーターの賜物だと思う。サハじゃなくてルーニーが蹴れば、そんな声が聞こえてくるが、前半の流れを悪い断ち切ることが出来たセルティックだったからこそ、出来たプレーだと思った。

 いずれにしても、セルティックは新しい歴史の1ページを作ることに成功した。ベスト16でも、優位に試合が運べるように是非とも1位通過を目指してもらいたい。



△ 2 レアル・マドリー 2 - 2 リヨン △

 共に4節でグループステージ突破を決めた両者の激突が、何故注目かといわれれば、リヨンはレアルに負けなし。しかも去年から続けて4戦目の戦い。そして、今年の第1節ではリヨンホームでボロボロにやられたから。
 しかし、リーガでも復調の兆しを見せ、戦術も固まってきたレアルがリヨンとの雪辱に燃えているのは誰もが期待していた内容。果たしてレアルが、第1節の借りを返すのか、それともリヨンの不敗神話は続くのか。やはり見届けたい1戦だった。

 ホームレアルは必勝を期す。4バックは、右からS・ラモス、エルゲラ、カンナバーロ、ロベカル。ボランチの起用に批判が集まるが、エメルソン、ディアッラはカペッロ不動の2人だ。前線は右からラウール、グティ、ロビーニョ。1トップは好調のニステル。グティをセンターにおき、左右を状況で使い分けるパターンが定着しつつある。後、特筆すべきはカッサーノがベンチ入りしている事!!カペッロを痛烈に批判し、練習にも帯同させなかったカペッロが何とベンチにカッサーノを招き入れているではないか!!カッサーノが謝罪したのか、カペッロが人材不足に苦しみ切り札としておいたのか…しかしこの決断は最終的に"吉"と出る事になる。
 リヨンは、フレッヂ、ヴィルトールが負傷。ディアッラはベンチスタート。右ウィングはSBが本職のクレルクと言う厳しい采配だ。

 それでも、サンチァゴ・ベルナベウはリヨンのホームなのか?疑いたくなるような試合展開でゲームは進む。
 まず、カリューが横1戦に並んでしまったレアルのDFラインをかいくぐり、先制点。カンナが迂闊に足を出してしまったのもあるが、ここはレアルDF陣がお粗末だった。しかし、カリュウも素晴らしいFWになったなあと言うのが正直な印象。今年のシーズン前に、世界的なFWの補強に奔走していたリヨンだったが、フレッヂがW杯を期に更に成長を遂げ、開幕から素晴らしい活躍を披露。しかしフレッヂが怪我で離脱した後、カリュウが見事にその穴を埋めた。いまや、2人はワールドクラスのFWに成長したと言っても過言じゃないだろう。現にカリュウの1点目は、彼の意表をついたタイミングでの"トーキック"だった。コントロールの難しいトーキックのあのコースに繰り出せるのは素晴らしい。
 2点目は、お家芸のジュニーニョのFKにマルダが後ろ回し蹴りであわせて2点目。一瞬ラツィオ時代のマンチーニを思い出させるような見事なシュートだった。しかも、ジュニーニョのFKがDFとGKの絶妙の間に落ちるボールで、DFは突っ込めず、GKのカシージャスも1歩届かない。素晴らしいFKからのゴールだった。
 しかも、レアルは前半にグティが負傷後退。ラウールを中央に回し、右レジェス、左ロビーニョにチェンジ。しかし、レジェスは右ではどうにもやりにくそう。まだ起用なロビーニョを右、レジェス左のほうが良さそうだ。
 レアルは、コーナーキックをニステルヘッド→ディアッラが頭で押し込んで1点を返すのが精一杯。グティがピッチから消えてからは、流れの中で点を取れそうな匂いが消えてしまった。

 後半。
 リヨンは、前半の華麗な攻撃が身を潜め、単調なサッカーに終始。よく言えば流している、悪く言えば集中力を欠いたゲームをしていた。それでも、レアルは最後まで攻めきれない。同点機は何度かあったが、モノにできず。そして、ついにカペッロはカッサーノをピッチに送り込む。
 後半38分、こぼれ球をニステルが押し込み同点。更に終了間際にはレアルがPKを獲得し、勝ち越しのチャンスだったがニステルが外して万事休す。レアルはリヨンに土を付けることは今回もお預けとなった。
 
 レアルはロビーニョやグティと言ったタレントに攻撃を任せ、最後はニステルの決定力で堅守+攻撃の形を紡ぎだしている。その為、ボランチはディアッラとエメルソンで守備専従。このスタイルが悪いとは言わないし、いかにもカペッロ流なんだが、このようなワールドクラスのコンペティションになると、攻め手に欠ける言わざるを得ない。ディアッラもエメルソンも、ゲームの組み立てに関与できるようなクリエイティビティが皆無なため、今回のようにグティと言う柱の1人が欠けると、もうチームは閉塞状態。どうにも迫力に欠けるのだ。
 しかし、じゃあ代わりに誰を使うか、と言われるとなかなか難しい。グティをボランチに下げるのが一番手っ取り早そうだが、そうすると、3センターは誰使うの?と言うことになる。一番期待したいのがカッサーノ。カペッロと言う恩師の前で再び羽ばたけるかに注目したが、早速の監督批判でそれも難しそう。そうすると…ベッカム!?
 うーん、レアルの再建にはまだまだ時間がかかりそうだ。

 一方のリヨンは、前半と後半、メンバーが総換えされたのではないかと思うほど別のチームと化していた。この辺が、いつもベスト8で止まってしまう要因かなぁと思ってしまう。結局、攻撃に苦しんでいたレアルに引導を渡すべく3点目、4点目を取ることも前半のチームの勢いなら可能だったはず。しかし、後半流してしまったことが結局引き分けに繋がった.この集中力の欠如は、昨年の05-06シーズンのベスト8のミラン戦の終了間際に同点に追いつかれ、ロスタイムに逆転を喰らうという構図から成長していないような気がする。リヨンが、欧州を制覇するのにはまだ時間がかかりそう、そんな気がしてならない。


 5戦まとめて載せ様と思ったんですが、久々に1戦1戦紐解いたら、昔の癖が出てしまい異様に長くなったので、続きはまた後日やります(^^ゞ
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by R-130 | 2006-11-24 23:02 | ∟UEFA CL 06-07