2007年 09月 24日
自分がこの一報を知ったのは、20日の昼飯時。丁度、飯を食いながら携帯サイトをポチポチ見ていたときのことだった。 "モウリーニョ監督電撃退団" 思わず飯を噴出してしまった。 自分は、チェルシーと言うチームに思い入れはないが、モウリーニョ監督が好きというだけの理由でチェルシーを応援していた。 その、モウリーニョが監督に就任してからのチェルシーは"常勝軍団"に生まれ変わった。 就任初年と2年目に、プレミアリーグ連覇の偉業を達成。3年目の去年は、プレミアは"出来すぎ"のマンUの後塵を拝して2位だったものの、FAカップとカーリングカップのW制覇を達成。CLも準決勝でリバプールにPKで敗れたが、故障者続出の中での采配は見事だった。 いやいや、チェルシーは脂モビッチの資本注入で変わった、と揶揄される方もいるかもしれないが、資本だけでチームが強くなるのであれば、レアル・マドリーはリーガ5連覇を成し遂げていてもおかしくなかっただろう。金で選手を買い集めれば強くなれるような、足し算の世界ではないことは、周知の事実である。さらに付け加えれば、チェルシーに所属する前のポルトでも、波乱含みではあったがCLを制覇したと言う事実も、彼の手腕の確かな部分を後押しする事実でもある。 そんなモウリーニョ政権4年目のチェルシーは、確かに波乱含みの幕開けだった、 補強では、モウリーニョが望むとされる補強が殆どなされなかったと言える。DF陣では、今期の補強の目玉とされるD・アウベスノ獲得に失敗、これはチェルシーが悪いと言うわけではないが、PSVからアレックスをレンタルバックで呼び戻すことに成功したものの、もう1人望んでいたLSBの実力者を得ることは出来なかった。フリー・トランスファーでベン・ハイムを獲得したが今のところ、評価できるパフォーマンスは披露していない。 中盤もマルダは獲得したものの、ロッベンは結局放出。この辺もモウリーニョの意思が反映されたとは言いがたい人事に思える。 前線も、ドログバの負担を軽くすべく、即戦力を要望したようだがこちらもフリートランスファーで獲得したピサロのみと、昨年の選手層の薄さから来るパフォーマンスの不安定さを解消できるとは言いがたい補強に、モウリーニョも閉口していたのではないだろうか。 戦績も、プレミアは6試合を終えて3勝1敗2分。決してほめられた数字ではないが、落第と言う数字でもない。昨年の覇者ユナイテッドが躓いているのを受けても、まだ十分に立て直せる数字のように思える。そして、退団の決定的な引き金になったであろう、CLグループリーグ、ローゼンボリとの引き分け。超格下相手への不覚は、確かに無様だが、まだシーズンは始まったばかり。このような好・不調の波が激しいのは、特にコンディションをシーズン後半に照準を向けざるを得ないビッグチームにはありがちな話である。 かような理由と、今までの実績を考えても、モウリーニョが退団するのは、どうしても腑に落ちない。ここでの決断はあまりに早すぎるように思う。 しかし、ここからは自分の邪推でしかないが、と言う断りを入れて、やはりオーナーの脂モビッチとモウリーニョの不仲説が、我々が考えている以上に根深かったのだろうと推測してしまう。 一時、この二人は今シーズン前に、ひざを交えて話し合い、和解したと言う報道が流れた。モウリーニョも、オーナーとの間に蟠りがあったことを認めつつも、話し合いをもってそれを解消し、チーム・フロントとも団結して今シーズンを戦うと言う前向きなコメントを出していた。 にもかかわらず、この時期に退団してしまうと言うことは、やはり脂モビッチが一方的に三行半を突きつけたと言うのが、妥当な線かもしれない。 ただ、一方でモウリーニョがチームやオーナーからかかっくる、強大なプレッシャーにうんざりしていたと言う話もあった。特に、脂モビッチオーナーは、ど派手なサッカーを好むそうで路線はレアル系に近かったと言えなくもない。バラックやシェバを引き抜いてきたのは、モウリーニョの意向というよりは間違いなく脂モビッチの趣味であろう。昨年はまがいなりにもその2選手を使いこなそうと、モウリーニョなりに工夫したがその2人がなかなか応えてくれず、今年コンディションの上がらない2人を冷遇しているのも、もっともと言えばもっともな話だ。 そんなやり方に、脂モビッチも快く思うはずもないだろう。蟠りはそんなに簡単に解けるはずがないのだ。これは、2人のサッカーに対するフィロソフィーの違いである。一見地味とも思える勝負強いサッカー、現有戦力の中でも、コンディションの優劣をしっかり見極め、結果を確実に出すと言うモウリーニョサッカーを、結局脂モビッチは拒んだことになるだろう。 チェルシーで指揮を執るモウリーニョが見られないかと思うと、残念で仕方がない。 選手からも、一様に失望や落胆の声しか聞かれない。 ひょっとすれば、モウリーニョをこの時期に切ったのも、ランパードとテリーの契約更新を引き出すためだけの"道具"だったのではないかと邪推してしまうほどだ。 モウリーニョの今後の活躍を期待したいところである。 早くもサイトでは、今後の職についての憶測が飛び交っているが、22日22時現在の情報を総合すると、 ・ポルトガル代表のコーチングスタッフに加入(フェリペ監督不在の代行)する噂は本人が一蹴 ・プレミアの監督は興味を示しつつも、今はその時期ではないと明言 ・他のリーグの監督業に興味 と、いうことになりそうだ。 チェルシーファンには申し訳ないが、チェルシーの次期監督にはあまり興味がない。 モウリーニョが、また欧州サッカーシーンに戻ってくる日を心待ちにしている。
by R-130
| 2007-09-24 06:28
| ∟Premierleage 07-08
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