2007年 05月 18日
サッカー:セリエA 06-07シーズン総括①
 まだ、リーガも終わってないのに総括も早かろう、と言われそうだが今後なかなかまとめて書けない日々が来そうな予感がするので、書けるときに書いておこうと思い今日はセリエAの総括でも。もちろん1日では全部書けるはずも無いので何回かに分けて書いていこうと思う。


■ 尋常ならざるカンピオナート わかりにくかった今年の勝ち点

 カルチョ・スキャンダルの裁定を受けて、ユベントスが創設以来初のセリエB落ち。ACミラン、フィオレンティーナ、ラツィオ、レッジーナが勝ち点マイナスからのスタート。今年のカンピオナートは日々の勝敗による勝ち点の積み重ねが、そのまま順位に反映されないという異常事態の1年だった。税金滞納や不祥事などによるペナルティーで勝ち点1-2の剥奪はこれまでもあったが、これだけ多くのチームが、しかも最大で15も勝ち点を剥奪されるカンピオナートは前代未聞である。我々は、雑誌やインターネットによる、"減算済みの"順位表を常時眺めていたわけだが、実際には勝ち点にそれぞれのチームで引き算を必要とする裏作業が発生していたのだ。


■ インテルはやはりインテル イタリアの意地を見せることすら出来ずに…

 インテルのマンチーニ監督は、殊更今年の"公平性"について主張してきた。ジャッジが公平になり、ようやく更正明大なシーズンが始まった、と。このシーズンを勝利したチームこそ真のチャンピオンだ、と。
 しかし、ユベントス不在のセリエA、そして、カルチョスキャンダルの裁定を受けて、ユベントスから、通常では放出など有り得ない主力の2人、ヴィエラとイブラヒモビッチ、を"ラッキーに"獲得しておいて、今年は公平だったと言えるのが不思議である。今年のインテルは、優勝して当たり前。イタリアだけでなく、欧州の舞台での活躍が義務付けられていた。

 しかし、優勝と言う最低ノルマは果たしたものの、セリエAと言うリーグの看板を背負って望んだチャンピオンズリーグでは、リーガ・エスパニョーラで4位付近を彷徨う"手負いの"バレンシアに、0-0,2-2ながらアウェーゴールで沈められ、去年より早いベスト16での敗退を余儀なくされた。ちなみに昨年も敗れ去った相手は、イエロー・サブマリンことビジャレアル。スペイン勢に相性が悪い、と言う言い訳では済まされないほど今年のインテルのスカッドは充実していただけに、まして、バレンシアの負傷者は多かっただけに、今年こそビッグイヤーを、なんて言われていたのもお恥ずかしいほど早期敗退の憂き目にあっている。これは、インテルがここぞと言う勝負どころにからっきし弱いと言うチームカラーが何も変わっていないことを再度全世界に知らしめたことになる。それを裏付けるように、リーグ優勝のかかったローマとの大一番ではホームで1-3で破れ、コッパ・イタリアの決勝戦でも、トータルスコアでローマに7-4と大敗を喫している。
 インテルは、やはりインテルであった。
 これが良くも悪くもインテリスタに愛され続けている所以であり、その"象徴"とも言うべき、モラッティ現オーナーはまた毎年のように"あっ"と言わせる補強を続けていくのだろう。今年、その詰めの甘さを払拭できる最大のチャンスを得たはずのインテルだったが、そのチャンスを活かす事も出来ず、インテルのまま07-08シーズンを迎えることになるのだろう。


■ あまりにも不甲斐なかったACミラン、来季は今季のような失敗は許されない

 カルチョ・スキャンダルの最中にあり、満足いく補強が出来なかった、と言うマイナス条件を鑑みても、あれだけのそうそたるメンツを抱えたミランの前半の低迷振りは、目を覆うばかりであった。
 諸悪の根源はFW陣である。
 チェルシーに新天地を求めたシェフチェンコの穴に最後まで苦しめられた。やはり、怪我で1シーズンを棒に振りその後のパフォーマンスが未知数だった、リカルド・オリヴェイラでは代役が務まるはずも無かった。
 また、年齢も進み更に怪我しがちになってしまったインザーギもシーズンを通して満足なパフォーマンスを発揮することも出来ず、一番の誤算はジラルディーノ。パルマ時代の輝きは、ミランに移籍して完全に消えうせてしまった。彼の得点王もフロックだったのでは、といわれるほど彼の評価は地に落ちようとしている。

 しかし、不振の理由はFW陣だけなのか?そうではない。
 更に問題なのは、FWにより良い形でボールを渡すことの出来ないMF陣と、点を取っても堪え切れないDF陣にもある。
 FWの得点力不足に影が隠れてしまっているが、今季のミランは中盤からいい形でFWにボールが渡るシーンが少なかった。ただ、ジラルディーノに関しては、結構いいボールが集まっていた時期もあったが、彼が全て潰してしまった感もある。
 MF陣に大事なのは、FWへの得点をとらせるようなチャンス作りである。それが、マーカーの引き付けだったり、絶妙なパスであったり、あるいは自らもちこむシュートだったり…

 しかし、今季のカカやセードルフは自身の得点能力は誇示されるものの、その他のチャンスメイクに関してはあまり機能しているとは言いがたかった。二人共、FWの得点力不足に見かねてプレースタイルを変えた、という意見も無くは無いが、彼らの後方支援なくしてFW陣は点を取ろうにも取れないという事情もあるはず。一概にFW陣の決定力不足で全ての問題を片付けてしまってはいけないように思う。

 更にスタムが抜けて更に脆弱で高齢化したDFラインも問題だっただろう。
 今年は怪我人も多く、満足にオーダーが組めない日々が続いた。
 酷いときは、ネスタ、カラーゼ、カフー、セルジーニョが戦列を離れ、前半は何とか老体にムチを打って頑張っていたマルディーニも後半怪我が多くなった。
 何とか冬のマーケットで、ラツィオからオッドを獲得してRSBの問題にはけりをつけたが、この脆弱さがリードしてそのリードを守りきれないという、ミランらしからぬ勝負弱さに前半は明け暮れることとなる。

 幸い、ネスタも復帰し、オッドもミランになれた後半からは勝ち星を重ね始め、CLでの活躍も説明の必要も無いが、前半のだらしなさは、正直呆れるばかりであった。

 来季は、勝ち点減などのペナルティーも無い全く同等の条件でのスタートとなる。今年のような体たらくぶりは許されない。名門の真の実力は、来季に試されることとなる。
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by R-130 | 2007-05-18 21:32 | ∟Serie A 06-07


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