2007年 05月 07日
プレミアリーグは大詰めの37節。チェルシーとマンUの直接対決を待たずに優勝が決まってしまった。非常に残念である。 しかも、勝負の行方は両試合ともPKによるものだった。 土曜日に開催され、マンチェスターダービー。 試合は、ロナウドが得たPKをしっかり決めてマンUが先制する。 しかしその後は動きに精彩を欠き得点が出来ずに1-0のまま迎えた80分、今度はマンCがPK獲得するという、マンUにとっては悪夢のような展開が待ち受けていた。 しかし、ヴァッセルのシュートをファン・デルサールが足で執念のセーブを見せて得点を許さずにそのままタイムアップ。 マンUが王手をかけて、アーセナルvsチェルシーの結果を待つことになった。 日曜日に開催された、アーセナルvsチェルシー。 チェルシーは残りの試合3連勝しない限り優勝がありえなくなった。今節引き分けでも、マンUの優勝が決まってしまう。 しかし、チェルシーは各選手の疲労を考慮して、ドログバ、A・コールをベンチにも入れなかった。FWは、左から、J・コール、カルー、ライト・フィリップスと言う純粋CFを欠く4-3-3の布陣に。CBはカルバーリョの穴を約2ヶ月ぶりスタメンのブラルースが埋める事となった。 実はCLベスト4-2ndlegの前の試合で、カルバーリョを使わずブラルースを試すべきではないかとブログに書こうと思っていた。やはりカルバーリョにかかる負担が大きすぎで、いつ離脱してもおかしくない状況にもかかわらず、モウリーニョは大一番を控えた前の試合にもカルバーリョを起用。結果怪我を悪化させてしまったのだが、この試合を見て、ブラルースをどうしてモウリーニョが使わないのか改めてよくわかった試合になってしまった。 モウリーニョのゲームプランを台無しにしたのは42分。ブラルースのバプティスタへの不用意な後方からのファウルだった。味方からの後方のパスに処理を誤ったブラルース。バプティスタに掻っ攫われそうになりたまらずファウル。これでブラルースは一発退場。勝たなければならない試合で、赤紙一発のPK献上と言う最悪のシナリオを書き上げて、ブラルースはエミレーツスタジアムを後にする。 ブラルースの守備は前半からお粗末過ぎたがこんなオチまでついてくるとはさすがに予想しなかった。彼は来期間違いなく、チェルシーのメンバーから外れるだろう。 PKをジウベルト・シウバがきっちり決めて1-0でアーセナルが前半を折り返し。敗色濃厚のチェルシーをこの男が発破をかける。 その名は、ミカエル・エッシェン。ドログバ同様、ここぞと言うときにチェルシーを救ったチェルシーに必要不可欠の男である。 10名と言う数的不利で防戦一方のチェルシーにあって、唯一のチャンスとなったCKのこぼれ球をライト・フィリップスが絶妙のクロス。エリア内に残っていたエッシェンがニアサイドで合わせて起死回生になりうる同点ゴールを叩き込む。 この男の発奮に、諦めかけていたチェルシーイレブン(あ、ひとり少ないのでテン?)が発奮する。 J・コールのレーマンの位置を見ての見事なシュートは残念ながらオフサイド。ロスタイムには、フレブのシュートを紙一重でふさいだツェフからのカウンターに、カルーが応え、逆転のシュートを放ったかに見えたがこれはレーマンの正面上に飛んでしまい、レーマンがパンチングで逃れ、万事休す。 1-1でタイムアップ。10人のチェルシーが最後までアーセナルを追い詰めたが逆転には至らず、この瞬間、マンUの02-03ズン以来の16回目の優勝が決定した。 しかし、モウリーニョ監督は素晴らしい。 試合終了後、いきなりピッチに降り立ったモウリーニョは、アウェーシートに駆け寄ると、 "(チェルシーの)選手たちを褒めてやってくれ、拍手してくれ" と言うジェスチャーを見せたのである。エミレーツに駆けつけたブルースファンは、全員スタンディングオーベーションでチェルシーの選手を迎えてくれた。 モウリーニョもまた、選手一人一人に声をかけていた。この辺が選手たちに信頼されている所以だろう。 カネに物を言わせて大物選手を吊り上げてくるチェルシーのやり方は嫌いである。 しかし、モウリーニョの監督としての技量は本当に尊敬に値する。 舌戦や心理戦を仕掛けすぎるきらいがあるが、それも勝ちたいがための彼なりのパフォーマンスである。是非、FACupでは今週で2つのタイトルを落とした無念を晴らしてもらいたい。 そして、以前にも述べたとおり、脂モビッチは、モウリーニョをクビニしてはならない。彼をクビにすれば、有力選手の流出は避けられないだろう。 最後にマンUの優勝について一言言わせてもらいたい。 詳しい振り返りは後日行いたいが、 今シーズンのマンUは、特に攻撃力で絶大な力を発揮した。リーグで奪った得点はそれを物語っているし、正直それ以上に得点をとってもおかしくない位のパフォーマンスがあった。 しかし、今シーズン開幕前に、マンUがここまで強さを見せるなんて予想した有識者は1人もいなかった。 層は決して厚くないまま、今シーズンを迎えた感がある。 しかし、それでも優勝できたのには三つの偶然が重なっている。 ① ギグス、スコールズと言ったベテラン勢が殆ど故障することも無く、しかもいいコンディションで通年働けたこと ② アーセナル、リバプールと言ったビッグ4の内の2チームがあまりにも不甲斐なさ過ぎたこと ③ チェルシーに、マンU以上に怪我人が続出したこと 特に偶然①は、本当に出来すぎの内容だった。 スコールズ、ギグス共に出色の出来だった今シーズン、しかもほぼ安定したパフォーマンスを見せるなんて誰が想像したか。 これは一歩間違えれば、ユナイテッドもガンナーズやレッズの仲間入りをしていた可能性が高いのだ。はっきり言ってこの優勝は奇跡的に近かった。ファーガソンの見通しは甘いと糾弾されてもおかしくないシーズンだったのだ。 ただ、ルーニーやロナウド、そして前半戦の立役者のサハや季節労働者になったラーションの活躍は見逃せない。特にロナウドはこの1年で本当に成長した。 来期はいい補強が出来れば、今年同様、チェルシーと互角の戦いが出来るだろう。 奇跡に近い、と批判を交えつつも、今年のユナイテッドは本当に勝負強かった。 そういう意味では、優勝に心から拍手を送りたい。
by R-130
| 2007-05-07 02:35
| ∟Premierleague 06-07
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