2007年 04月 11日
【速報】:UEFAチャンピオンズリーグ ベスト8 2ndleg
※ 日本時間の11日早朝に行われた、CLの結果をアップしています。結果をご覧になりたくない方は、このエントリーをこれ以上読みすすめないでください。
 ご存知の方、結果を知っても良いと言う方は、"続きはこちらから"をクリックしてください。



 いよいよベスト8も2ndleg。1stlegがなかなか面白い終わり方をしていたので、2ndlegも非常に楽しみだったが…結果だけを見れば"順当"と言うことなのだろうか。早速振り返りたい。


○ マンチェスター・ユナイテッド 7 --- 1 ● ASローマ  at オールド・トラッドフォード
AGG 8 - 3 で、マンUがベスト4進出。
【得点者】 キャリック('11)('60) スミス('17) ルーニー('19) ロナウド('44)('49) エヴラ('81) デ・ロッシ('69)
【警告・退場】 スミス(b) ファーディナンド(b) カッセッティ(b) メクセス(b) 


■ マンU  4-4-2

      ルーニー   スミス

  ギグス             ロナウド

      フレッチャー  キャリック

エインセ  ファーディナンド ブラウン オシェイ

          ファン・デルサール

【交代】

 オシェイ   →   エヴラ ('52)
 ギグス   →   スールシャール ('61)
 キャリック   →   リチャードソン ('73)

 まさか、故障明けのエヴラの"慣らし運転"が、CLの舞台になろうとは…
 エヴラをLSBに投入後、ブラウンがRSB、エインセがCBに回る。
 スールシャール、リチャードソンは、今後のリーグ戦を見据えた余裕の交代。
 そんな交代ができるほどユナイテッドは…



■ ASローマ   4-5-1

           トッティ

マンシーニ   ヴチニッチ  ヴィルヘルムション

        ピサロ   デ・ロッシ

パヌッチ  キブ     メクセス  カッセッティ

            ドニ
【交代】

 デ・ロッシ   →   ファティ ('86)
 ヴィルヘルムション   →   ロージ ('88)
 オカカ   →   マンシーニ ('90)

 ペッロッタをサスペンション、タッディを怪我で欠き、2列目の真ん中がヴチニッチと言う苦しい布陣。結果、ヴチニッチは機能しているとは言い難く…また、交代が85分以降に立て続けに行われているのも、今日のローマには有効なオプションが一つもなかったことを示している。


 両チームとも、サスペンションや怪我でキーマンを欠く苦しい展開。しかし、攻撃の中核を成すタッディ・ペッロッタの2名を欠くローマに一抹の不安を感じる。
 マンUもスコールズと言う配給役を欠き、フレッチャーに代役指名。ルーニーの相方は、長きにわたり干され続けたスミスが先発。このスミス、ファーガソンの冷遇にも腐らず今日は頑張りました。

 前半。
 攻守がめまぐるしく変わる中、ややローマがペースを握っているように感じる。サスペンション明けのピサロがうまくリズムを作り、この攻めが続けばローマに得点が生まれそうな気が"していた"。
 ところが、ここからマンUのゴールラッシュが始まる。
 12分。ロナウドが右サイドを突破→中央へ横パス→ぽっかり開いたスペースにキャリック走りこむ→丁寧なコースを突いたミドルを打つ!!マンU先制。
 このプレーだけに限らず、1stlegとうって変わってロナウドの突破を許しすぎたローマ、そして、DFの重心が低く、バイタルエリア前によくスペースを作ってしまっていたローマ。この後立て続けに失点を許していく。
 直後の17分。中盤でフレッチャーがボールを持つ→エインセが左サイドを駆け上がりボールを受ける→ギグスに渡す→ギグスがダイレクトにスミスへ→ダイレクトプレーでマークが外れっぱなし、スミスゴール!!2点目。マンUのダイレクトプレーが冴え渡ったシーン。これではローマDFもディフェンスが出来ない。ただ、今回のローマDF陣の出来は本当に低調だった。
 更に19分。ギグス右サイド突破→右足での折り返しにルーニーあわせる→ボールは左ポストに当たってゴール、3点目。この辺からローマDF陣の集中が切れたように感じる。
 ちょっと間を開けて44分。ロナウドが右サイドを駆け上がる。キブが中央をケアするようにDFするのを見て、外に抜けてニアサイドへの強烈なシューへ!!4点目。
 ゴールショーはまだまだ続く。

 後半。
 49分。ギグスの左サイドの突破からマイナスのグラウンダーのクロス→スミスがニアでスルーして(つぶれた?)→ファーのロナウドのシュート、5点目。
 60分。エインセの左サイドの攻め上がり→キャリックに横パス→前半同様、バイタルエリア付近に大きなスペース→キャリック、落ち着いてミドルをうちゴール、6点目。
 慣らし運転で入ったエヴラがゴールショーに幕を降ろす、ミドルシュートの7点目。
 これに対しローマは、69分にトッティの右サイドからのクロスに、デ・ロッシが難しい体制からのダイレクトシュートで1点を返すのが精一杯。これだけやられれば集中が切れるのも致し方ない。
 結局7-1という、誰も予想し得なかった大差でマンUがベスト4進出を決めた。

 簡単にこの差の原因を考察してみたい。
 ローマ側から考えれば、タッディ・ペツロッタの不在は攻撃面で大きく響いた。彼らがいれば前半の早い時間帯で点を取ることができたかもしれない。
 しかし、今日は守備面が非常に低調だった。まず、1stlegでは機能していた、ロナウド封じ。今回これが全く出来ていなかった。2名を費やし前を向かせなかった1stlegとは違い、今回はかなりこっぴどやられた感がある。また、キブとメクセスの鉄壁コンビが今回はザルになっていたということ。当たりも弱く、マークの受け渡しも悪い。所謂、好不調の波が激しい時の"不調"が今回のローマだった。

 マンU側からすれば、スコールズの不在にもかかわらず、ボールがよく回ったことが大きい。フレッチャーも代役を見事にこなしていた。今季殆ど戦力をいじらなかったことで連携面では完成度が更に高まり、ワンタッチプレーやダイレクトプレーが非常に多かったのも、ローマDF陣を翻弄した。
 そして、基本的なことだがサイド攻撃の約束事がしっかり守れていたことも大きい。
 サイドハーフの選手がボールを持って相手DFと対峙した時、サイドバックの選手のフォローと中央の選手のフォローがしっかり利いていた。これでサイドハーフの選手の取りうる策が
1.サイドバックにパス
2.中央の選手にパス
3.自らドリブルで切れ込む
の3つの選択肢が広がることになり、プレーに幅が出る。特に今回、ローマのDFの重心が低かったことで、中央へのパスが非常に効果的だった。切り崩しを恐れるあまり、重心を低くしすぎたのが命取りになった。   

 前述の通り、ローマは好不調の波が激しく、故にリーグ戦でも戦績が安定しない。そのムラが悪い方向に出てしまったこの試合。スパレッティ監督にとっては、欧州の壁の厚さを痛感したことだろう。  



● バレンシア 1 --- 2 ○ チェルシー  at メスタージャ
AGG 3 - 2 でチェルシーがベスト4進出。
【得点者】 ビジャ('32) シェフチェンコ('52) エッシェン('90)
【警告・退場】 デル・オルノ(b) アルベルダ(b) アジャラ(b) モレッティ(b) エッシェン(b) バラック(b)


■ バレンシア  4-4-2

    ビジャ     モリエンテス

シウバ                 ホアキン

    アルベルダ    アルビオル

デル・オルノ モレッティ  アジャラ   ミゲウ

           カニサレス
【交代】
 
 モリエンテス   →   アングロ ('65)
 アルビオル   →   ウーゴ・ヴィアナ ('72)


 モリエンテスが復帰。と言っても状態は100%ではなく肩にプロテクターをつけての出場。それでも仕事をやってのけるあたりは流石なんだが…
 アルビオルはランパードと交錯した際に足を負傷しウーゴ・ヴィアナに交代。この交代による守備力の低下が命取りに…



■ チェルシー  4-4-2

     シェフチェンコ   ドログバ

            バラック

     ランパード      エッシェン

            ミケウ

A・コール  テリー  カルバーリョ  ディアッラ

            ツェフ
【交代】

 ディアッラ   →   J・コール ('45)
 シェフチェンコ   →   カルー ('90+3)
 ランパード   →   マケレレ ('90+3)

 マケレレを押しのけてミケウ。ミケウがモウリーニョの信頼を勝ち得、攻撃的な布陣のファーストチョイスになったようだ。マケレレに来期の1年契約のみのオファーしか出していないのもその理由の裏づけになろうか。
 閉塞状態を打破すべく、後半J・コールを投入し4-3-3。前半にイエローをもらっているエッシェンをRSBに回す。イエローを1枚もらっていても、そして故障明けでもエッシェンに抜群の信頼を寄せる指揮官モウリーニョ。この采配は流石であり、エッシェンもモチベーションが上がったはずだ。同様はJ・コールにも。"太め残り"とか"切れが無い"とか言われていても、この指揮官の目に狂いは無い。器用にちゃんと答えるプロフェッショナルである。

 
 前半。
 かくして、この試合は当初の予想通り、超カウンター狙いのバレンシアと、ホゼッションを高めてなんとか攻撃の糸口を見つけようとするチェルシーの図式ですすめる。
 チェルシーは開始3分にいきなりエッシェンがカードを頂戴する不安な立ち上がり。その後も、バレンシアのポゼッションこそ低いが、これはチェルシーに"持たせている"と言う感じで、機を見てのカウンターが炸裂する。
 まずは30分。バレンシアのカウンター。アルベルダとビジャとモリエンテスの3人で決定機を作る。ビジャが左、モリエンテスが右に走り出す。アルベルダは勿論ドリブル巧者のビジャにパス。ビジャはマーカーをひきつけて、右サイドでフリーになったモリエンテスにラストパス。モリエンテスのシュートは惜しくも左ポストを叩きノーゴール。しかし決定的な瞬間だった。
 その2分後の32分。先制はバレンシア。
 ホアキンの右からのアーリークロス→ビジャがマーカーへ3人ひきつけてつぶれる→後ろから走り込んだモリエンテスがスライディングボレー!!バレンシア先制!!見事に青写真通りの戦術が炸裂し、ホームバレンシアがリード、AGGも2-1となり、バレンシアがベスト4に一歩近づいた。
 逆に前半のチェルシーは、バレンシアの巧みな守備に翻弄。特にドログバはアジャラの老獪な守備に仕事をさせてもらえない。チャンスらしいチャンスは、ランパードからのCKに、カルバーリョとバラックがヘッドで合わせたシーンくらいか。
 バレンシアにとっては、しめしめ、と言った展開だった、が…

 後半。
 モウリーニョはディアッラに代えてJ・コールを投入。エッシェンをRSBに下げ、超攻撃的な4-3-3にシフトチェンジ。得点を取りに行く積極策に打って出る。
 それが早くも実ったのは52分。右サイドのエッシェンからの高精度のアーリークロス→ドログバがシュートをうちながらつぶれる→シェバがファーサイドに走りこみこぼれ球をけりこむ!!チェルシー同点!!この辺のシェバの走りこみ・ポジショニングは流石。この辺から、バレンシアは守備面に甘さが見えてくる。前半、チェルシーを抑えるために豊富に動き回っていたため、スタミナに陰りが見え始めたのかもしれない。
 この後もペースを握り返したチェルシー。J・コールが右サイド・左サイドとポジションチェンジをしながらサイドからチャンスメイク。両サイドからの攻撃の活性化で、ディフェンスがサイドに寄せられ、結果中央の守備が甘くなってきた。また、素早い攻撃の繰り返しにスタミナを消耗し始め、ディフェンスがついてこれなくなりつつある。しかし最後の決定的な仕事はアジャラが何とか凌いでいた。
 そんな中、アルベルダと共に中盤で守備に動いていたアルビオルがランパードと交錯して負傷。ウーゴ・ヴィアナとの交代を余儀なくされる。ウーゴ・ヴィアナは元々攻撃的MFなだけにこの中盤での守備力の低下で、中盤も確実にチェルシーが支配できるようになり、これがバレンシアにとって命取りになった。
 中盤も、ファールでしか止めざるを得なくなったバレンシア。ランパードに高位置でのFKを何度も許し、その1本がバラックの頭にドンピシャリ!!これはカニサレスがグッドセーブで逃れるが、最早見所は、チェルシーがいつ得点を取るのか、バレンシアは120分凌いでPKまで持ち込むのか、に絞られた。

 そんな中での90分。チェルシーが底力を見せる。
 右サイドからエッシェンが果敢にオーバーラップを仕掛けて、角度の少ないところからニアポストへの強烈なシュート!!これがカニサレスの手を弾いてバレンシアゴールへ!!アウェーで2点を取ったチェルシーが、これで断然優位に。バレンシアが逆転するにはロスタイムで2点が必要となり、これでバレンシアは力尽きた。
 AGG3-2。チェルシーの見事な逆転ゴールだった。

 この試合のポイントはチェルシー、モウリーニョの見事な采配だった。
 カードを1枚もらっているエッシェンへの信頼。そして復調しているJ・コールの出来を見抜いての後半0分からの抜擢。ライト・フィリップスでなくJ・コールと言う起用な選手を用いたことが同点ゴールのきっかけになったと思う。
 このような、モチベーションを高める起用は本当に素晴らしいのひと言に尽きる。特にエッシェンがギリギリの状態のチームを救ったのを今シーズンなんかいも見ているが、今回もまさにエッシェンがチームを救った。このイエロー1枚もちながらの勇気ある采配は本当に見事である。
 バレンシアも、試合では負けてはいなかったが、最後に選手・監督両方の実力差が出たような気がする。フローレス監督にとっても大きな経験になっただろう。



 今晩は残りの2試合。リバプールは決まった感もあるが、バイエルンとミランの試合は見ものである。この2チームの勝ち上がりがマンUと。チェルシーは(恐らく)リバプールと戦うことになるだろう。
 プレミア勢3チームがベスト4に残る、歴史的にも例が無い出ろあう展開。今日の残り2試合も見逃せない。
 
     
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by R-130 | 2007-04-11 08:15 | ∟UEFA CL 06-07


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