2007年 03月 19日
F1:第1戦 オーストラリアGP決勝 ライコネン移籍後初戦でポールトゥウィン 大物新人ハミルトン3位表彰台
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Pos. ドライバー コンストラクターズ Tyres Time
1 K・ライコネン フェラーリ 1:25:28.770
2 F・アロンソ マクラーレン + 7.242
3 L・ハミルトン マクラーレン + 18.595
4 N・ハイドフェルド BMW + 38.763
5 G・フィジケラ ルノー + 1:06.469
6 F・マッサ フェラーリ + 1:06.805
7 N・ロズベルグ ウィリアムズ + 1 laps
8 R・シューマッハ トヨタ + 1 laps
9 J・トゥルーリ トヨタ + 1 laps
10 H・コヴァライネン ルノー + 1 laps
11 R・バリチェロ ホンダ + 1 laps
12 佐藤 琢磨 スーパー アグリ + 1 laps
13 M・ウェーバー レッドブル + 1 laps
14 V・リウッツィ トロロッソ + 1 laps
15 J・バトン ホンダ + 1 laps
16 A・デビッドソン スーパー アグリ + 2 laps
17 A・スーティル スパイカー + 2 laps
Did not finish
18 A・ブルツ ウィリアムズ + 10 laps
19 D・クルサード レッドブル + 10 laps
20 R・クビサ BMW + 22 laps
21 S・スピード トロロッソ + 30 laps
22 C・アルバース スパイカー + 48 laps
(文中のタイムや写真はF1-Live.comを参照)

 2007年F1開幕戦、オーストラリアGP決勝。ここ言う言い方をすると失礼かもしれないが、予選の盛り上がりをよそに、また例年の大波乱はどこへ行ったのか、レースは淡々と流れた印象だった。しかし、そのよどみない展開の中で、ほぼパーフェクトにレースをコントロール、スタートから独走態勢を築いたフェラーリのライコネンが移籍後初レースでポールトゥウィンと言う改めて非凡な才能を見せつけた。そして超大物新人、マクラーレンのハミルトンはレースの2/3はアロンをを押さえて2位を快走。最後のスティントではアロンソとの実力の差を露呈したが、それでも、一時はラップリーダーに名を連ねるほどの快走を見せて3位表彰台。デビューレースでこれだけのインパクトを残したのは、約10年前にウイリアムズからデビューした、J・ヴィルヌーブ以来ではないだろうか。
 まさに、ミハエル引退後の新時代、新星の台頭を予感させるリザルトだった。

 簡単にレースを振り返りたい。
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 スタートはBMWのハイドフェルドが好スタート。軽いタンク+ソフトタイヤのショートスティントギャンブルに出ていた彼は、スタートでアロンソを抜いて2位に躍進する。
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琢磨もTOYOTAの小競り合いを展開しながら10位を走行。バトンはバリチェロとストラテジーの違いをもっていたと言うのもあったがチームメイトにふたをしてしまい、バリチェロ、クルサード、そしてエンジン換装のマッサを従えて走行。マッサは最後尾降格のため1ストップを選択。
ライコネンが第1スティントを速めに切ってきたが、そのときに既にハミルトンには12秒差を築き上げる。
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ハミルトンは、ライコネンがピット後、ラップチャートのトップに名を連ねる堂々とした走りを披露。レースの2/3以上アロンソをホールドし、とてもデビュー戦とは思えないステディな走りを見せ付ける。チーム設立以来初のドライバー総替え、しかもF1新人起用は1991年のマイケル・アンドレッティ以来16年ぶりの起用と言ういわば冒険とも取れるドライバーラインナップを強いたマクラーレンだが開幕戦に関しては上々の成果を上げたのではないか。
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ルノーはレースペースに自信を持っていたといわれていたが、レース中はあまり画面に登場することも無くひっそりと進めていく。ところが第3スティントにソフトを履くとマシンバランスが狂って大幅にタイムダウン。5位フィジコは最後尾から追い上げてきたマッサにつつきまくられ、コヴァライネンはTOYOTAの2台を抑えきれずに10位チェッカー。ルノーにとっては失意の初戦となってしまった。彼らがもっとも得意とする開幕ダッシュに失敗。恐らくルノーのトップチームとしてのサイクルはアロンソの離脱と共に終わりを告げたと言っても過言ではなさそうだ。彼らの課題はBSタイヤの有効的な使い方。昨年はMIタイヤを一番うまく使っていたといわれる彼らがBSのスイッチと共に、サスペンションなどのセッティングを1から見直しを迫られる結果となりいまだ有効な解決策を見出せていないのが何より痛手だ。

 レース終盤には、ウイリアムズのヴルツとレッドブルのクルサードが3コーナーで危ないクラッシュを見せるも、SCは出動せず(あれはヴルツ完全にミラー見ていなかった。何事も無かったかのようにコーナーにアプローチしていたから)。レースは荒れることなく、ライコネンがポールトゥウィン。マクラーレンが2-3。クビカがトラブルに無くもハイドフェルドが4位入賞。フィジケラは地味に5位。最後尾から1ストップと言うリスクにも果敢にチャレンジしたマッサが6位。ウイリアムズロズベルグが開幕前の予想通り本家TOYOTAを抑えて7位。8位に"Bチーム"に後塵を拝したラルフが入賞する結果となった。


■ SuperAguri 琢磨が入賞まで"13秒差"の12位
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 今年は昨年から大躍進のSuperAguri。レース中は、昨年のチャンピオンチーム、ルノーのコヴァライネンを昨年のワーストチーム、昨年のQ3脱落常連組のSuperAguriの琢磨がしっかり押さえてレースするシーンが見られるなど、まさに"世界中の驚き"はレースも続いた。
 予選のド派手さを鑑みれば決勝はいささか寂しい、と言う声も聞こえてきそうだが、いやいやそれほど悲観する必要もないと思う。所謂ウイリアムズやTOYOTAやレッドブルと言った中位グループと互角のタイムを刻み、8位ラルフとは13秒差でチェッカー。しかもこのSA07、ほぼ開幕戦がシェイクダウンにもかかわらず大きなトラブルも無く2台完走。他のチームと違いテストは一切していないのである。彼らがマシンを熟成させることが出来れば、実力でのポイント獲得でも夢ではないところに現状つけているのだ。今年は本当にレースが出来そうなSuperAguri。HONDAのパワーユニットを活かして、是非序盤戦でポイントを獲得してもらいたい。彼らの活躍で、日本企業もスポンサードに名乗りを上げてくるかもしれない、日本に新たなF1ブームを巻き起こす可能性もあると思う。
 因みにレース序盤でスパイカーのスーティルと接触したディヴィッドソンは、背中を痛めて完走がやっとの状態だったそうだ。何でも無線での会話も困難なほどだったとか。完走後、ストレッチャーでサーキットを後にするほど様態は良くなかったようだ。


■ 速くてもろい?BMWの開幕戦
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 評判どおり、速いが信頼性にも難を示したBMWの開幕戦。
 しかしニックが予選3位決勝4位と上々の滑り出しを見せてくれた。
 BMWはシームレスギアにもトラブルを抱えているようで、このトラブルは他のチームにも抱えているチームが多い。マッサもそのトラブルだった。
 しかしこの速さは本物だ。レースペースも昨年のチャンピオンチームルノーを圧倒。クビカも"壊れなければ"間違いなくBMWが4-5だったはず。やはり彼らの課題は「信頼性」になりそうだ。
 レースも上位スタートながら、ハイドフェルドとクビカのストラテジーを変えてくるなどアグレッシブさも見せているBMW。彼らが今年の台風の目であることは間違いない。


■ 深刻なHONDAの現状
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 アースカラーも虚しく、リザルトも後方に沈んだHONDA。バトンは集中を欠いて、スピード違反のペナルティも受けるなど散々の開幕戦だった。
 彼らの問題は、BSに鞍替えしても尚解決できないフロントタイヤの発熱問題。そして、今年は更にブレーキングのスタビリティーにも問題を抱えている。
 序盤、バトンがクルサードとマッサを抑えて走っていたとき、はっきり視認出来たのはプレーキングポイントが他のチームより明らかに浅いこと。この問題はどのサーキットでも致命的な問題として浮上するだろう。これでは彼らはバトル出来ない。踏ん張れない。
 こと、修正に関しては素晴らしい力を発揮するHONDAだが、やはり念頭の懸念どおり、開幕に素性のいいマシンを用意出来ないという問題を今年も抱えてしまい、まずは他のチームに追いつくのに莫大なエネルギーを割くことになりそうだ。


■ 大物新人、ルイス・ハミルトン、堂々3位入賞
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 最後に大型新人の栄誉をたたえるエントリーで締めたい。
 前述の通りマクラーレンの歴史においても、またF1界の歴史においても名を残したハミルトン。昨年のチャンピオンアロンソに負けず劣らずのレースマネージメントで、一時はラップチャートトップにも名を連ね、堂々3位入賞を果たした。
 しかし、第3スティントではアロンソとの差がはっきり現れた。この辺がこの大型新人の課題になりそうな雰囲気を残した。しかし、彼は何と言ってもF1初戦なのだ。それでこれだけ走れるのは本当に凄いとしか言いようがない。昨年のニコ・ロスベルグをしのぐインパクトで、八百屋的にはヴィルヌーブにイメージが被る。ルノーのコヴァライネンはマシンに手を焼いて、ラインをはらむシーンが多かったが、ハミルトンは2回に抑えた。しかもレースのまとめ方がうまかった。
 彼が今季初優勝を遂げてもなんら不思議は無い走りっぷりだった。


 開幕戦は、最大のライバルマッサの脱落もあったがライコネンがポールトゥウィンと言う絶好のスタートを切った。マッサとライコネンの実力勝負は第2戦以降に持ち越しとなったが、ここは次戦の大きな見所だ。
 第2戦はマレーシアGPセパンサーキットでの開催。来週には同サーキットで3日間の合同テストも用意されている。
 各チーム開幕戦の結果を受けて様々なアップデートを実施して来るだろう。HONDAは恐らく大々的に空力パーツを持ち込んでくるはずだ。まずはテストに注目しつつ、第2戦を待ちたい。
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by R-130 | 2007-03-19 05:13 | ∟F1 2007 Final


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