2007年 02月 18日
サッカー:UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16プレビュー⑤ ACミランvsセルティック
 プレビュー第5回目は、我らが中村俊輔選手所属のセルティックと、今シーズン調子がなかなか上がらないACミラン戦のプレビューを。CLという大舞台での日本人選手の活躍を1秒でも長く見たいため、アップセットを期待されている方は多いと思うが、実際のアップセットの可能性を検証してみたい。


ACミラン (リーグ成績 10勝4敗8分 7位 注:勝ち点は-8点減での成績)

-故障者リスト-(1st legまでに戻れる…○ 微妙…△ 無理…×)
× チダ(GK)
× ネスタ(DF)
× セルジーニョ(DF)


-対戦相手との過去の成績- 
2勝2分  4得点1失点 
直近の対戦成績 CL04-05年 グループステージ 1st 3-1 2nd 0-0 


-予想スタメン-

       インザーギ  ジラルディーノ

             カカ

   セードルフ         ガットゥーゾ

            ピルロ

ヤンクロフスキ カラーゼ マルディーニ オッド

            カラチ

■ ACミランの強み … CLの経験者が多い、中盤の完成度の高さ
 勝ち点マイナス8減からのスタートとは言え、未だ7位に甘んじようとは誰が予想しただろうか。DFの故障者が半端でなく出たのは考慮しても、やはりこのメンバーを揃えてこの順位は正直いただけない。
 セリエAではこの10試合6勝4分と負けはないが、勝ちきれなかったという試合が正直多かった。
 ただ、主力の多くが残留しているミランの選手の多くはCLの大舞台を多く経験しており、一発勝負の強さは良く知っている。昨年もベスト8でリヨンが後一歩のところまで追い詰めたが、インザーギが起死回生の逆転弾で勝ち上がったように、追い詰められても粘り強さと言うのは間違いなく持っている。
 また、ピルロ、ガットゥーゾ、セードルフ、カカの中盤は非常に完成度が高い。流動的に動いても4選手がしっかり約束事を守っているので攻守にわたって乱れることはごく僅か。守備はガットゥーゾが奮迅し、攻撃はロングパスのピルロ、左サイドのセードルフ、そしてドリブルもパスもシュートも1級品のカカが、貧打の攻撃陣を牽引している。


■ ACミランの弱み…点が取れないFW 守りきれないDF
 シェフチェンコの抜けた穴は予想通り深刻だった。
 カルチョスキャンダルのあおりを食らって満足な補強が出来なかったのは理解できるが、やや復調してきたとは言えジラルディーノが7点、故障しがちのインザーギが4点、期待を大きく裏切りオリベイラ3点とここまでFWに元気がないのが非常に問題だ。また、ボッリエッロはドーピングにひっかかると言うオチまでついてFWは散々の出来である。
 DFは怪我が多く満足にオーダーが組めない状態が続く。ネスタが左肩を手術、セルジーニョは椎間板ヘルニアで満足にプレーできていない。この他にもカラーゼ、カフーも以前は故障者リストに入り、CBにボネーラを起用するなど台所事情は本当に厳しい。
 ラツィオからオッドを獲得しRSBは固まったが彼も守備力は凡庸。LSBのヤンクロフスキも同様に守備力が凡庸。そしてCBは怪我(カラーゼも元々はLSB)でマルディーニに頼らざるを得ない状況。GKのヂダとカラチまで負傷してもうさながら野戦病院の様相である。
 CLグループステージは4節で勝ち抜けを決めつつも、5節6節連敗を喫し、リーガも負け無しと言うより勝ちきれない印象。ミランとしては相手がセルティックだったのが幸運と思うべきだろう。


■ 私が監督ならこう戦う 対セルティック戦
 初戦がアウェーのセルティックパークだが、中盤を制圧してセルティックに試合をさせなければアウェーでも充分に勝機がある。
 セルティックのMF中村は右に入るケースが多いので、セードルフ、ヤンクロフスキとのマッチアップになるがセードルフがやや攻め上がりを自重して中村を潰せばそれだけでセルティックの攻めの半分を防ぐことになる。中村が左に入ればガットゥーゾを当てれば良いのでこれは思うつぼだ。
 注意すべきは、フェネゴールの高さと中村のFK。壁とGKは中村のFKの傾向をよく研究する必要があるだろう。距離如何では、GKにはヤマ勘で飛ぶ必要もあるかもしれない。



セルティック (リーグ成績 21勝1敗5分 1位)

-故障者リスト-(1st legまでに戻れる…○ 微妙…△ 無理…×)
× ギャリー・コルドウェル(DF)
× バルデ(DF)
× ウィルソン(DF)

-対戦相手との過去の成績- 
2敗2分  1得点4失点 
直近の対戦成績年 CL04-05 グループリーグ 1st 1-3 2nd 0-0


-予想スタメン-

    フェネゴール  ズラフスキ

 マクギーティ          中村

     レノン      グラベセン

ネイラー ブレスリー マクマナス テルファー

           ボルツ       

■ セルティックの強み…中村の正確なFK フェネゴールの高さ
 中村のFKはグループステージで輝いていたが、しかし厳しい現実を見れば格上のマンU戦では中村はFK以外殆ど輝くことはなかった。一つはチームが相手に掌握された中盤を飛ばしたロングボールを多用したことがあげられるが、中盤を掌握されていたと言うことは中村を無力化されていたことになり、スコットランドでは最強でも、欧州の大舞台では明らかに格下の存在であることを改めて浮き彫りにさせた結果となった。ACミランでもマンU戦で見せたようなFKを見ることが出来るのか、セルティックの活路はそこしかないと言っても過言ではない。
 フェネゴールが復帰して以降、得点力も戻ってきた。この高さはACミランにはない貴重な武器だ。ポストプレーにしろ、セットプレーのヘディングにしろ、中村のFKとこの2点が相手の脅威となるだろう。あわよくば、中村の正確なFK→フェネゴールのヘディングでの得点、と言うのが理想になるか。これなら相手も手が出ない。
 

■ セルティックの弱み…クリエイティブに乏しい脆弱な中盤 守りきれないDF アウェーに弱い
 格上が相手になると、中盤が省略されてしまうサッカーが多いのが非常に気になる。つまりは中村以外に組み立てが出来る選手がいないのだ。プレスが厳しいと途端に機能不全に陥りそうだ。
 またリーグ戦で無類の強さを見せ付けているが、不用意な失点が少なくないのも気になる。DFがやや集中を欠く場面も多く、DFラインが固定できないのもストラカン監督としては大きな悩みになっているはずだ。バルデ、コルドウェルと言った主力が怪我で離脱中で、浪人のプレスリーを慌てて補強するなどDFは安泰とは言いがたい。
 アウェーに滅法弱いのも以前から指摘されている通り。弱いのは仕方ないがノックアウトステージでは大量失点は命取りになる。しぶとく守ると言うリーグ戦でもできない事がCLの大舞台で出来るだろうか。ボルツの神がかり的なセーブに期待するしかないのかもしれない。


■ 私が監督ならこう戦う…我慢強く守ってワンチャンスにかける
 小兵が強敵を倒すセオリー、頑張って守り抜いて、数少ないカウンターやセットプレーにかける、これしかないだろう。幸い相手がミランと言うのは多少恵まれている。得点力が低いので最後の最後で凌げる可能性はなくもない。
 しかし中盤で数多くチャンスを作られれば、元々はポテンシャルのあるFW陣である。あっさり決められてしまう可能性も高い。ホームだろうがアウェーだろうがとにかく失点しないこと。0-0 1-0でも勝利は勝利。失点をすれば集中も切れるだろうし、何より打ち合いに持ち込めるようなチームではない。何よりも失点しないことだ。


◇ 勝ち上がり予想 … ACミランが80%の可能性で勝ち上がり
 残念ながらどの面をとってもミランが上回っている。FKですら、ミランにはピルロがいるので互角の条件なのだ。アップセットを望むのは極めて難しい状況だ。
 しかし、アップセットが起こりやすい相手を引き当てたのは事実である。相手が違えば、勝率は10%にも5%にもなっただろう。ミランだから20%と評価した。それだけ付け入る隙はあるといえる。
 グループステージ第5節のマンU戦のように、凌いで凌いで1チャンスを物にする理想的な展開を見せてくれるか、グループステージ第4節のベンフィカ戦のように、何も出来ないいまま敗れるのか、セルティック初のベスト16。悔いの内容にやってもらいたい。
 ACミランはCLにプライオリティーを置いてビックイヤー目指してやるしかない。今節のシエナ戦も主力を休ませている。ミランがCLではどこまで暴れてくれるのか荷も注目したい。
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by R-130 | 2007-02-18 00:29 | ∟UEFA CL 06-07


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