2007年 02月 13日
サッカー:UEFAチャンピオンズリーグ ベスト16プレビュー④ リヨンvsローマ
 プレビュー第4回目は、1月に入ってもたついたものの未だフランスでは敵無しのリヨンと、今年セリエAで一番スペクタクルなゲームをしているローマの1戦を占なう。
 リヨンの悲願のベスト4は成し得るのか。ローマにとってはチャンピオンズリーグとなってからは初の決勝T進出である。


リヨン (リーグ成績 17勝4敗3分 1位)

-故障者リスト-(1st legまでに戻れる…○ 微妙…△ 無理…×)
× A・ディアッラ(MF)
△ ベンゼマ(FW)
△ ヴィルトール(FW)


-対戦相手との過去の成績- 直接対決が過去に無いため、リヨンvsイタアリ勢での成績
5勝4敗3分  16得点23失点 
直近の対戦成績 CL05-06年 Best8(vsACミラン) 1st 0-0 2nd 1-3 AGG 1-3


-予想スタメン-

  マルダ      フレッヂ      コブ

       ジュニーニョ   チアゴ

            トゥララン

アビダル  クリス      スキラチ   レベイエール

              クペ 


■ リヨンの強み … 成熟された4-3-3システム 選手層の厚さはフランス随一
 今やリーグアンにおいて、リヨンに対抗しうるチームはいないだろう。リーグアンはおろか、他国のリーグ戦でも上位につけることが可能なスカッドを揃え、しかも1ポジション2名を擁してターンオーバー制も可能にしている。ベテランと若手の融合のバランスもよく、5連覇を達成できた最大の理由として「大崩れしなかったこと」が挙げられる。
 ル・グエンの遺産を見事に引き継いだウリエ監督の采配も光っている。年末のFWが相次いで怪我で戦線離脱したときには、マルダを1トップに抜擢し難を逃れるなど起用に関しては見事に当たっている。
 FWはカリュウを放出してバロシュを獲得。このトレードは、メディアは概ね好意的に捉えている模様だ(八百屋はそうは思わないが)。中盤もこの夏にシェールストレームを獲得し、ジュニーニョの後継者として育成中である。あの左足から繰り出される見事なパスと強烈なキックは、ジュニーニョとは違った意味で強烈なインパクトを放っている。A・ディアッラノ離脱もトゥラランが見事に埋めている。
 DFも、怪我しがちなカサッパを見越してスキラチを補強したのが成功しており、ミュラーも安定したプレーを披露。ゴールマウスはフランス代表のクペが君臨。つい最近まで怪我で離脱していたがブランクの心配はないだろう。
 ホームでは圧倒的に強いが、アウェーでもしたたかな強さを見せつける。CLグループステージ4節、サンチャゴ・ベルナベウでレアル・マドリーを後一歩のところまで追い詰めていた(結果は2-2のドロー)。前半だけを見ていれば、レアルはリヨンに全く歯が立たなかった。
 果たしてベスト8の鬼門を打ち破ることが出来るだろうか?


■ リヨンの弱み…未だ多い怪我人 1月が成績大不振 CLに若干の不安を残す
 1月に入って勝てないというそれまでに無い深刻な状況に陥ったリヨン。
 原因は1トップの出来るFWが全選手怪我で離脱したのと、リーグ戦とカップ戦の週2試合の過密日程だった。
 2月に入り連敗も脱出。バロシュもチームにフィットしており暗い材料ばかりと言うわけではないがやはり不安を残しているのは事実だ。
 主力ではディアッラとヴィルトールの欠場が濃厚。ボランチと経験豊富なベテランの不在は残念ながらマイナス材料といわざるを得ない。
 しかし怪我人も以前に比べれば減ってきた。正直リヨンの欠点らしい欠点は少なく、今年はドローにも恵まれればベスト8の壁を突破することも不可能ではないと八百屋は睨んでいる。

■ 私が監督ならこう戦う 対ローマ戦
 初戦がアウェーオリンピコと言うことで、慎重な戦い方が要求される。
 普通に戦えば間違いなく打ち合いの様相になるだろうが、ウリエは恐らく慎重策をとってくるだろう。所謂、アウェーなりの戦い方を見せてくるはずだ。
 トッティにはマンマークを貼り付ける必要がある。クリスかスキラチか、役割的に読めないがどちらかが彼を自由にさせないことが最大のテーマだ。得点にしろアシストにしろ、彼を経由することは間違いない。マンシーニとヴィルヘルムションの両サイドアタックにも神経を尖らせる必要がある。この二人は、タッチラインを走破するドリブルも、中に切れ込むドリブルも両方持ち合わせているので、守りの的が絞れない。両SBとトゥラランが対応に追われる事になるだろうが、戦況次第ではチアゴあたりも守備に立ち返る必要がでてくるだろう。



ASローマ (リーグ成績 15勝3敗4分 2位)

-故障者リスト-(1st legまでに戻れる…○ 微妙…△ 無理…×)
× マルティネス(DF)
△ アクイラーニ(MF)

-対戦相手との過去の成績- 直接対決が過去に無いため、ローマvsフランス勢での成績
2勝1敗2分  8得点2失点 
※参考データ 過去の対戦成績年 カップウイナーズカップ91-92 Best8(vsモナコ) 1st 0-0 2nd 0-1 AGG 0-1


-予想スタメン-

          トッティ         

マンシーニ   ペッロッタ   ヴィルヘルムション

       ピサロ   デ・ロッシ 

トネット   キブ    メクセス   パヌッチ

           ドニ


■ ローマの強み…トッティ好調 非常に層の厚い中は戦 補強もまずまず成功
 
 今季セリエAで間違いなく面白いサッカーをしているのがローマである。フォーメーション的には4-2-3-1だが、トッティがポストプレーをしているのではなく引いてチャンスメイクをし、それを2列目が追い越していくようなサッカーを披露してくれている。非常に攻撃的でスペクタクル、そして極めつけはトッティが好調で見事なゴールを量産してくれているところだ。
 トップスコアラーはトッティの14ゴール。これは現在のところセリエAのランキングトップ。その後ろにマンシーニ7ゴール、タッディとペツロッタが5ゴールと続いており、2列目もゴールを積極的に奪っている。
 中盤の選手層は非常に厚く、ローマナイズされた選手がひしめいている。ピサロもローマ色に染まり今や不動のレギュラーだ。アクイラーニの離脱も感じさせない層の厚さだ。
 この冬に補強したヴィルヘルムションは早速タッディからレギュラーを奪いそうな勢いだし、ヴチニッチが期待できないFWにはタヴァーノを獲得(注:バレンシアでCLに出場したためローまでの出場権は無し)、補強でもまずまずの成功を収めている。


■ ローマの弱み…攻撃的ではあるが勝ちきれないサッカー 深刻なトッティ依存症
 セリエAでは、得点も失点も首位インテルに匹敵する数字なのだが勝ち点で11の差が開いているのはやはり、得失点の効率の悪さだろう。必要以上に大量得点で勝ったかと思えば、次節で1点に泣いたり、先制点を守りきれなかったりと、内容は素晴らしいが結果が伴わないのがなんとも残念である。
 しかもトッティがオーダーから外れるととたんに勝率は悪化。彼への依存は深刻だが、スパレッティは彼を中心としたサッカーを構築しているため、もしトッティが抜けたら…悲惨な結果が待ち受けているかもしれない。
 昨年も11連勝を上げながらトッティの骨折と共にチームも沈黙してしまったローマ。対戦相手に、あからさまに弱みを見せているだけに同レベルのチームが相手となると非常にやりにくくなるのは自明の理だ。


■ 私が監督ならこう戦う…中盤でリヨンの組み立てを封じ、素早くサイドに展開
 中盤が5人で構成されているローマは、中盤でリヨンを圧倒できる可能性がある。リヨンのゴブやマルダにいいボールが供給される前に、中盤で未然に危機を防ぐサッカーをするのが好ましい。DFラインをコンパクトに保ち、プレスをかけて中盤でボールを奪うという、所謂昨今の王道とも言えるディフェンシブなサッカーだがこれが、両ウィングを無力化させる有効策としては、これが一番である。
 リヨンのDFラインで守備力にあえて不安があるとすれば右のレベイエール。つまりローマの左サイドのマンシーニが肝になる。マンシーニをレベイエールがマークするなら、ピサロのロングボールでリヨンの右サイドを揺さぶりたい。
 また、戦力に大きな差があるセリエAの首位インテルにスクデットを譲り、チャンピオンズリーグ1本に絞るような用兵も重要だろう。トッティはCLにプライオリティーを置き、悲願の初制覇を目指す…正直ビッグクラブと比較すれば戦力は劣るが、つぼにはまった攻撃力が随所で展開すれば、大番狂わせを演じることが出来なくもない。


◇ 勝ち上がり予想 … リヨンが60%の可能性で勝ち上がり
 ほぼ互角と見ていい試合だが、これまでの実績を勝ってリヨンを若干優勢にした。
 リヨンはアウェーでもしたたかな試合が出来ることがプラス材料、ローマはパフォーマンスが安定しないのがマイナス材料とした。
 ただ純粋な攻撃力はローマのほうが上。歯車がかみ合えば実績上位のリヨンを粉砕する可能性は充分。リヨンはオリンピコでローマを完封すれば勝機があるし、逆にオリンピコでローマは点が取れないと厳しい状況に追い込まれることになるだろう。
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by R-130 | 2007-02-13 09:40 | ∟UEFA CL 06-07


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