2006年 12月 11日
サッカー:プレミア17週 エッシェンのミドルがチェルシーを救う
 プレミアは、現在ミッドウィーク開催が入り、チームによっては消化が1試合少ないところもある。便宜上17"週"と言う表現でくくることにする。

 さて順位はこちらから
 今週の注目カードは、ポーツマスvsエヴァートン。マンチェスターダービー。そして、チェルシーvsアーセナル。

 まずは、ポーツマスvsエヴァートン。SBも出来て、尚且つ得点力もある八百屋個人的には「プレミアの隠れた名選手」と思っているマシュー・テイラーと完全復活でゴールを量産しているヌワンコ・カヌの前半の2得点で勝負あり。ポーツマスの強さはどうやら12月になっても衰えないようだ。ガイタマックによるクラブ買収で、今シーズン、ベテラン中心に大幅補強が図られたが、それをハリー・レドナップが巧みに操り限界と囁かれたベテランを見事に蘇生させた事が、現在の快進撃に繋がっている。

 マンチェスターダービーは、3-1でマンUの快勝。サハ、ルーニー、ロナウドと役者が揃って決めている。一方のマンCに移籍したコッラーディ。全然チームとそりが合わないみたいで、この日も退場処分に。この冬イタリアに戻ってしまうかもしれない。

 八百屋観戦カードは、チェルシーvsアーセナル。夜中の中継だったが、アーセナルがなんかやってくれそうな気がしたので、頑張って観戦することに。
 チェルシーは、4-4-2のベスト布陣。GKはイラリオ。右SBは調子の上がらないパウロ・フェレイラ、ポカの多いボラルースを差し置いてジェレミ・ヌジタップが定着した感がある。左SBのアシュリー・コールは古巣との対決となった。スタンフォードブリッジながら、数少ないアーセナルファンの"特大"ブーイングがアシュリーに浴びせられていた。中盤は、マケレレ、エッシェン、ランパード、バラック。エッシェンはCLも含むここまで全試合出場。バラックも徐々にではあったがチームに馴染みつつある。2トップは、絶好調ドログバとシェフチェンコ。シェフチェンコはいつ本調子になるのだろうか。
 アーセナルは、アンリを故障で欠き、ギャラスも故障、コロ・トゥーレがサスペンションで苦しい台所事情。4-5-1の布陣でCBは、センデロスとジュルーの若手スイス代表コンビ。右にエブエ、左にクリシ。中盤はボランチはジウベルト・シルバ、ちょい前にセスクとフラミニ、ウイングハーフは右にフレブ、左にファン・ペルシー。1トップはアデバヨール。しかし、チェルシー相手なら、エレガントなフレブより、闘将フレデリック・リュングベリの方が良いのではないかと思ったのは八百屋だけだろうか?いや、解説の粕谷さんも言っていたから間違いないだろう。

 前半。
 細かいパスを繋いでチェルシー陣内に攻め込むアーセナルだが、アウェーと言うこともあり無理をしていない印象。最後の詰めがイマイチ迫力不足で、点数を取りそうな気配は残念ながら皆無。アデバヨールも、昨年に比べればチームに馴染んでいると思うし随分成長したと思うが、やはりアンリに比べると迫力に乏しい。まあ、アンリと比べちゃいけないのだろうが。
 一方のチェルシー。ホームだし確かにイニシアチブは握っているが、しかしこちらも攻撃の迫力にかける。ランパードがバラックとの共存に慣れ(←ポジションがかぶりそうな二人だが、ランパードがバラックの邪魔をせずに自分の持ち味を活かす術を見につけたことは、地味だけど驚異的なことだ!!)時折、強烈なミドルを見せ付けたり、ドログバがいい形で絡んだりするのだが、シェフチェンコとバラックは消えている時間が多い。消えていても決定機で仕事をすれば何も言わないが、この二人はまったく絡めず本当に"悪い意味で"消えている。
 前半はチェルシーが押していたが、うーん、イマイチかなぁ、と言う感じで終了。

 後半。
 試合は、モウリーニョが手を打った事で大きく動き始めた。ロッベンと、ショーン・ライト・フィリップスを投入。ジェレミとシェバout。エッシェンを右SBに回して、中盤はマケレレ、ランパード、バラックに。これで、昨年プレミアを席捲したモウリーニョサッカー4-3-3にフォーメーションをチェンジ。これを機にアーセナルは防戦一方となる。
 ロッベンが左サイドからガンガン突っかける。負けじとフィリップスも右サイドをドリブルから好機を演出する。ランパードもより広くなった中盤をダイナミックに動いて持ち味を発揮。チェルシーが得点を取るのも時間の問題かと思われた。
 しかし、先制点は意外にもアーセナルだった。
 後半33分。後半唯一のチャンスと言っていい場面。フレブの右サイドからの崩しを途中でやめて、一旦セスクにはたく。チェルシーのDFラインが上がる。セスクはまたフレブにパスして、フレブが右からの突破を図ろうと右サイドを深くえぐろうとする。またチェルシーのDFラインが下がる。
 このセスクとフレブのラインの揺さぶりで、チェルシーのバタイルエリアにスペースが出来てしまう。そのスペースにフラミニが猛然と走りこむ。フレブは絶妙のタイミングでフラミニにパス。フラミニはダイレクトでシュート!!これをイラリオが弾き損ねてボールはチェルシーゴールに!!先制はアウェーのアーセナル。まさにワンチャンスを物にした!!
 さて、モウリーニョに変わってからプレミアではホームで負けた事の無いチェルシー。もっと遡ればポルト時代からだと4年間ホームで負け無しのモウリーニョ!!この偉大な記録をアーセナルが打ち破るかと思われた。
 しかし後半39分。アシュリー・コールのインターセプトをロッベンに繋ぐ。ロッベンが左サイドから崩そうとするが無理と見て、真ん中のランパードにはたく。ランパードも前がふさがってシュートが打てないので、右サイドから走りこんできたエッシェンに軽く回す。
 すると、エッシェンがためらうことなく、ランパードの軽い横パスをダイレクトでアーセナルゴールに向かってシュート!!このボールが右足のアウトにかかって、ゴールの枠外から枠内に巻いて入ってくる強烈なミドルシュート。コースもゴール左上隅という一番取れないコースで、これはどんなキーパーでも取れないすさまじいシュートとなってアーセナルゴールに突き刺さる。
 チェルシーは土壇場で同点に追いついた。
 その後も惜しいシュートが2本ほどあったがいずれもバーに嫌われてゴールならず。終盤の猛攻も実らずチェルシーは痛い引き分けとなった。
 アーセナルとしては、主力を欠いた中での首位チームとのアウェー引き分け。満足だろう。
 これで、チェルシーが1試合少ないとは言え、マンUとの勝ち点差は8に。マンUが余裕を持って前半を折り返す形になりそうだ。


 ◆◆ 考察 チェルシーの4-4-2と4-3-3 ◆◆


 誰が見ても解ることだが、チェルシーは4-4-2より4-3-3の方が機能している。4-3-3は後半途中からの、アクセントとしての戦術なので活きている訳で、最初から4-3-3でいけばここまで破壊的サッカーは出来ない、という指摘もある。なるほど、後半の運動量が落ちているときでの、ウイングタイプ、ロッベン・J・コール・フィリップスの投入は効果がある、そういう指摘だろう。
 しかし八百屋的には、4-4-2はバラックとシェバと言う今年の新顔を無理して使うためのフォーメーションとしか考えられない。実力や成果にこだわるモウリーニョとしては、本当は4-3-3一辺倒で行きたい筈ではないだろうか。
 特にシェフチェンコはシーズン半分になろうとしているが、一向にパフォーマンスの向上が見られない。彼に大金をはたいたチェルシーとしては今年1年、辛抱して使うだろうがこれで成果が出ないと、来期はどうなるのだろうか?
 そしてバラック。彼は本当にモウリーニョが欲している選手だったのだろうか?ランパードがいればそれでよかったのではないだろうか。彼も、チェルシーで苦しんでいる。何よりスピードに乗った攻撃を主とするプレミア、それもチェルシーのサッカーに彼はマッチしないと言うのは加入する前から解っていたはずだ。バイエルンも、速攻を売りにするチームではない。じっくりしたパス回しから、相手の綻びを見つけ、そこから仕掛けるかミドルを撃つ、そんなサッカーにバラックはうってつけだが(ドイツ代表もそんな感じだった)、チェルシーには不似合いである。実際、4-3-3になると、バラックが画面に映らなくなるのだ。それほど彼にとって4-3-3はまったく対応できないフォーメーションなのだ。この辺に、フロントとモウリーニョの温度差を勝手に感じてしまう八百屋である。

 今年大枚をはたいたこの二人をモウリーニョはいつまで使うのだろうか。マンUに離されれば離されるほど、この2人の起用を諦め、4-3-3にシフトするのではないかと八百屋は想像してしまう。今年は、プレミア3連覇もさることながら、欧州制覇が"ノルマ"のモウリーニョ。彼がこの采配をいつまで続けていくのか非常に興味深い。
 シェバ・バラックを起用し続けることでコンディションを上げさせ、4-4-2に新境地を見出すのか、それともこの2人を切り捨てて4-3-3に戻すのか。いずれにしても、マンUのペースが落ちない限り、その決断は近いうちに下されることになるだろう。
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by R-130 | 2006-12-11 03:17 | ∟Premierleague 06-07


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