2006年 11月 27日
セリエAも今節は首位攻防戦!!パレルモvsインテル戦が注目カードだ!! 13節の結果を踏まえた順位表はこちらから。 ACミランは僅差でメッシーナを下し、リーガでは実に4戦ぶりの勝利。それでも順位は16位。トップとの勝ち点差は22。この差ではスクデットは最早絶望的だ。CL予選からの出場となる4位には勝ち点9の差。この差は行けなくはない。とにかく4位以内が今季のACミランの妥当な目標だろう。 ローマもサンプドリアとの重要な1戦を、トッティの2得点(内1点は左足のスーパーボレー!!)を含む4-2で、打ち合いで制した。何とか、首位に勝ち点6差に踏みとどまっている。 そして、今節のビッグカード、パレルモvsインテル戦。頑張って生観戦といきたかったが、時間帯があべしな時間だったため、録画で観戦と相成った(^^ゞ ホームパレルモは3-5-1-1的な布陣。ファビオ・シンプリシオ不在で、コリーニ、ディアーナ、そしてブレシアーノにゲームメイクのタスクが委ねられる。1トップは、好調アマウリ。 インテルは、4-4-2の中盤ダイヤモンド。中盤の底に、スタンコビッチを抜擢。左にサネッティ、右にヴィエラ、トップ下ソラーリ。スタンコビッチのボランチはそれほど驚くに値しない。彼のサッカーセンスは飛びぬけたものがあり、中盤からウィングまで幅広くこなすマルチロールタレントだ。ヴィエラ・ダクール・カンビアッソには無い、パスの捌き方を心得ている。しかし、以前も指摘したとおり、トップ下のソラーリは厳しい。彼のポジションではない。 2トップは、アドリアーノがトップで、イブラヒモビッチがセカンドトップ。アドリアーノが、復調の兆しをようやく見せ始めた。 前半。試合はいきなりインテルが先制する。 インテルのカウンター。自陣からのロングボールがアドリアーノへ。アドリアーノはダイレクトで、少し引いていたイブラヒモビッチにちょこんと返すと、イブラヒモビッチは走りこみながらそのボールをペナルティーエリアの外からダイレクトに蹴り込む!!強烈なシュートがパレルモゴールを襲い、GKフォンタナもややファンブルするような形でゴールへ。フォンタナのミスと言えなくもないが、ここは素直にズラタンを褒めたい。 これで、パレルモは萎縮してしまったのか、今までの試合で見せていた小気味良いパスを繋いだ攻撃サッカーがなりを潜めてしまう。特に、ブレシアーノとアマウリが孤立してしまい。カウンターでもなかなかいい形が作れなくなってしまった。 インテルは、その後も何度と無く決定機を作るが、最後の押しが足りずに追加点は奪えない。 しかし、ロスタイム。パレルモが同点に追いつく!! 左からの鋭いクロスに、ブレシアーノがヘッドで流し、これがアマウリの足元へ!!これをアマウリが右足のアウトサイドでダイレクトに叩き込んだ!!ジュリオ・セーザルも届かずインテルゴールへ!!前半で、パレルモが追いつき俄然盛り上がるかに見えた。 ところが後半、両チームのエース、ズラタンとアマウリが揃ってベンチに下がるとややゲームは下降気味。特にパレルモは、その後殆ど決定機が作れなかった。 後半もインテルのカウンターで勝ち越し点。 アドリアーノのドリブル突破でパレルモ陣内に攻め込み、少しタメを作って、左サイドに走りこんでいたヴィエラにラストパス。これをインフロントでゴール左上隅に叩き込み、2点目。これで勝負あった。 全体的な結果としては順当なインテルの勝利といえよう。 インテルとしては、スタンコビッチの能力の高さを改めて感じさせられた。ボランチでも、昨年のヴェロンを思わせるような正確なロングフィードが冴え渡り、またポジショニングセンスも秀逸。フィジカルが優れた選手と言うわけではないが、ポジショニングセンスでそれを補ってあまりある。まさに、サッカーセンスの塊だ。また、アドリアーノの復調もインテリスタの方には嬉しいニュースだろう。まだ体は重そうだが、2アシストの活躍。FKでもあの左足の猛威を垣間見ることが出来た。このまま行けば、後半戦は大きな戦力になりうるかもしれない。 パレルモは、まず審判に恵まれなかった感がある。ホームながらパレルモに不利なジャッジが多く、これはいささか興ざめした感が否めない。特にインテルに勝ち越しゴールを許した場面は、ヴィエラがカラッチョロを潰したファールの場面を、審判がファールを取らなかった場面から生まれたもの(ただ、カラッチョロを潰したヴィエラがその後すぐに立ち上がって60メートルランニングして得点に絡んだところはすごいのだが)。実況は「流した」と表現したが、流すとは、この場合パレルモ側にアドバンテージがあって始めて意味が通じる言葉であって、あの時ファールを取られないと何の利点も無いパレルモ側に、流されたメリットなど何も無い。あれは、ファールを取らなかった審判のミスジャッジだ。 ただ、それでもパレルモが勝ち越すことは難しかっただろう。 特にアマウリからカラッチョロに替わった後半は、殆ど決定機を作れなかった。八百屋個人的には、次代のアズーリを担うと予想しているカラッチョロだが、今年はこれまでノーゴール。パレルモでもアマウリの完全に控え要員へと成り下がり、カラッチョロ本人もこの冬の移籍を志願している模様。それほど、今の彼の環境はどん底だ。プレーも、どこか歯切れが無く、後半唯一の決定機とも言えるCKからのヘディングもポストに嫌われ万事休す。彼のトンネルは、暗く長いものになりそうだ。 線は細いが、身長190cm以上(194cm?)と高く、その割りに身のこなしも柔らかく、ポストプレーにもチャンスメイクにも絡める(一昨年と昨年までは)もちろん得点能力もある。過大評価すれば、ズラタンに近いプレースタイルのカラッチョロ。彼の奮起に期待したい。 あと、最大の誤算はシンプリシオの不在。彼のゲームメイクは秀逸で、彼の不在がパレルモの小気味良いサッカーがなりを潜めたのは言うまでもないだろう。 これでパレルモは3位に転落し、ローマが2位浮上。インテルは1試合落としても、首位を明け渡さないだけのアドバンテージを築いた。しかも、インテルはこれで9連勝。当たり前といえば当たり前なのだが、やはり強い。 このまま、インテルが独走してしまうのか…今後の展開がちょっと寂しくなりそうな結果だった。
by R-130
| 2006-11-27 23:20
| ∟Serie A 06-07
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